食品安全情報blog過去記事

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象牙海岸のクリーンアップ開始

Ivory Coast clean-up begins
19 September 2006
http://www.nature.com/news/2006/060918/full/060918-3.html
西アフリカの象牙海岸コートジボワール)の港町、アビジャンに廃棄された有害廃棄物の件について、Natureニュースが報告する。
・何が起こったのか?
8月末、400トン以上の廃棄物がアビジャンの10カ所以上に廃棄された。
専門家が到着する前に、7人が死亡したが死因を特定するための剖検は行われていない。4万人ほどが呼吸困難や吐き気、頭痛や腹痛を訴えて地元の病院の無料診察に列を作った。
・廃棄物は何か?
廃棄物を運んだ船を借りたのはオランダの会社Trafiguraで、同社は中身はガソリンの荷物を洗った汚水だと言っている。国連の報告では廃棄物には硫化水素ガスやメルカプタン、ベンゼン、フェノールなどが含まれる。残りは石油に含まれる炭化水素で、微量の塩化炭化水素も含まれる。
・現状はどれだけ危険か?
緊急の危険は去ったようである。廃棄物周辺の大気中の硫化水素ガス濃度は安全域まで低下している。幸運なことに、ほとんどの廃棄物は天然の粘土質の上にあり地下水への汚染は防げている。既に汚染されていたラグーンで水の汚染の問題があるが、緊急対応と言うより長期対応が必要である。ラグーン内に死亡した魚はなく、廃棄物周辺の野菜に接触はないようである。しかしながら当局はこれらの植物の廃棄を予定している。
・どうやって廃棄物が除去されるのか?
現地でのクリーンアップ作業は9月17日から25人の専門家の指導の元で行われている。
黒いタールのように見えるこの廃棄物は、灰色の都市ゴミから掘り出して容器に入れられている。廃棄物がわかりやすいので予想したより困難ではない。
・クリーンアップにはどれだけかかるのか?
廃棄物が除去されて容器に入れられた後、アビジャン港の安全な場所に貯蔵される。 これには約二週間を予想している。また一部はヨーロッパで検査を行い成分を同定する。次いでフランスとドイツの処理工場に送られるであろう。これに数週間かかるであろう。そして通常の汚染物質処理工程により処理されるであろう。



ヘルスカナダ