PBDE Flame Retardants and Human Health
2006-09-26
http://www.hc-sc.gc.ca/iyh-vsv/environ/pbde_e.html
ポリ臭化ジフェニルエーテル難燃剤(PBDEs)は、製品を燃えにくくするために多数の消費者製品に使用されている人工化学物質である。近年北米の環境やヒト中のPBDE濃度が、低いながらもヨーロッパより高いことや上昇していることからメディアの関心を集めている。
- 背景
PBDEはプラスチック、電気製品、家具、着物ではない織物などに使用されている。 PBDEは化学的に結合させているわけではなく添加されているため、ゆっくり持続的にそれらの製品から放出される。PBDEはカナダ・米国・ヨーロッパで環境中や母乳を含む人体中に検出されている。ヒトから検出される量は極僅かであるが時間と共に増加傾向にあり、ヨーロッパより北米で高い。
市販のPDBEは以下の三つの混合物である。
・ ペンタBDE
・ オクタBDE
・ デカBDE
米国や他の多くの国で懸念が大きいとされるペンタBDEとオクタBDEの禁止に動いている。これら二つの化合物の主要北米製造業者は2004年に製造を中止している。また環境影響への懸念のため、多くの企業が製品へのPBDEの使用を中止している。スウェーデンでは、母乳中のPBDE濃度は環境への放出や使用を制限する規制が行われてまもなく減少した。
- PBDE暴露源
PBDEは空気や水、土壌、室内ダスト、食品などの環境中に低濃度で存在する。環境中濃度のデータは限られているが、入手できる情報からはヒトの主な暴露源は室内空気、室内ダスト、母乳を含む食品である。食品中には一般的に魚や肉や乳製品のような動物由来の脂肪の多い食品に濃度が高い。
- PBDEの健康影響
PBDE暴露されたヒトにおける少ない研究では有害影響や疾患の増加の明白な根拠はない。
動物ではラットとマウスで行動発達・神経系発生・肝臓と甲状腺への影響が見られている。しかしながら実験動物で使われた濃度はカナダでヒトが暴露されている濃度より高い。
PBDEが実験動物にガンを誘発する可能性については根拠が限られている。非常に高濃度のデカBDEを生涯暴露されたラットの実験一つで肝腫瘍の発生が増加している。しかしこれは上述の肝や甲状腺や行動への影響を起こす濃度よりさらに数倍高い濃度でのみ見られている。
- リスクを最小化するために
もしPBDE暴露について懸念があるなら、以下のことを薦める。
・ いくつかの業者はPBDEフリー製品を製造している。商品購入前に販売店に相談する。
・ PBDEは脂肪組織に蓄積されるため、脂肪の多い食品をあまり食べない。カナダの健康的な食事ガイドに従う。
・ PBDEはハウスダストに蓄積するため、家をこまめに掃除する。
カナダ政府の役割
環境カナダとヘルスカナダは最近いくつかのPBDEについてスクリーニングアセスメントを準備した。環境カナダによる環境スクリーニングアセスメントによれば、PBDEはある種の野生動物や無脊椎動物にリスクとなると考えられる。ヘルスカナダのスクリーニングアセスメントによれば現状のヒト暴露量は動物に影響のある濃度より十分低い。
従って環境に影響があるためPBDEの環境中放出や使用は制限されるべきだと結論した。
食品計画のもとで、ヘルスカナダは、母乳や魚やその他の多くの食品中PBDE濃度は低くヒト健康にリスクとはならないと結論している。ヘルスカナダはモニタリングを継続する。
ヘルスカナダ