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ホメオパシーの学位は非科学的

Degrees in homeopathy slated as unscientific Published online: 21 March 2007; | doi:10.1038/446352a
http://www.nature.com/news/2007/070319/full/446352a.html
一部の英国の大学では今や代替療法で学位を取ることができる。しかしそれは信用に値するのか?Jim Gilesが報告する。
米国ではインテリジェントデザインを科学の授業で教えるかどうかについて激論が興っているが、多くの研究者が疑似科学とみなすもうひとつのトピックは英国の教育システムにおいて科学的地位を獲得している。
過去10年の間に、いくつかの英国の大学で代替医療について理学士(BSc)の学位を提供し始めており、そのうちホメオパシーが6つある。ホメオパシーは活性物質を著しく希釈してその中に1分子すらないような状態で患者に与えるというものである。科学の名に値しないホメオパシーホメオパスの授業を行うことに懸念を表明する科学者たちが看板を下ろすよう活動している。
多くの科学者や根拠に基づいた医療を支持する人たちは、ホメオパシーに科学の名を与えることは不当であると感じている。ホメオパシー治療が効くメカニズムが不明であるという事実とは別にホメオパシーが効かないという根拠は確実である。これまで行われた綿密な系統的レビューではホメオパシーが効果があるという根拠は最高でも限定的である。ホメオパスがしばしば引用するホメオパシーが効くことを示唆した論文は出版後方法論について幅広く批判されている。
しかし大学の授業でホメオパシーを教えているホメオパスは−少なくともNatureの取材に答えた人は−彼らは生徒に対して、根拠の批評的解析を含む科学の基本原則を教えていると主張している。
授業で何が教えられているのかを正確に知るのは難しい。いくつかの大学では教材の開示を拒否している。ロンドン大学の薬理学者David Colquhounは何度も拒否された後、情報公開法により教材の開示を求めている。Central Lancashire大学とSalford大学はNatureにホメオパシーの授業で何を教えているのかを語ることを拒否した。
取材に応じたWestminster大学のBrian Isbellは、生徒は普通の健康科学も教えられているから現行の保健システムの中で安全・効果的に働くことができると主張する。
(略)
ホメオパシーが一般的であるフランスやドイツでもホメオパシーについては大学の医学のトピックの一部として取り扱われるだけで科学の一科目にはなっていない。
しかし英国では代替医療学士が増加している。主に職業訓練を行ってきた学校に、政府の高等教育の機会均等方針により新たに大学の資格を与えられた新設大学が多い。代替医療学士は、患者が科学的訓練を受けたプラクティショナーに治療してもらっていると信じさせるため特に有害である。