食品安全情報blog過去記事

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冷たさを感じる蛋白質

Protein senses cold
30 May 2007
Heidi Ledford
http://www.nature.com/news/2007/070528/full/070528-5.html
単一受容体が冷たさとメントールに反応する。
最近Neuronに発表された2つの論文とNatureの今週号に発表された論文で、マウスはTRPM8と呼ばれる単一の蛋白質で冷たさとメントールの両方を感じていることが示された。この受容体は低温による痛みの緩解も調節するが、10℃以下の痛みを感じる低温には関与しないようだ。
TRPM8は熱とカプサイシンを検出する蛋白質と同じファミリーに属する。これらの蛋白質は特定ニューロンの細胞膜に存在し、外部からの刺激に反応して開閉するチャンネルを形成する。
低温とメントールがTRPM8チャンネルを開口させてカルシウムイオンなどの細胞内流入を引き起こす。
ヒトにもマウスにもTRPM8遺伝子があり、培養細胞ではいずれも27℃以下で開口する。今回3つのグループが独立してTRPM8蛋白質を作らない突然変異マウスを作成した。いずれも穏やかな低温とメントールにほぼ完全に反応しない。一部弱い反応が残っておりTRPM8の関与しない経路の存在も示唆される。
Diana M. Bautista et al.
Nature doi:10.1038/nature05910
The menthol receptor TRPM8 is the principal detector of environmental cold

Ajay Dhaka et al.
Neuron, Vol 54, 371-378, 03 May 2007
TRPM8 Is Required for Cold Sensation in Mice

R. Colburn et al.
Neuron, Volume 54, Issue 3, Pages 379-386
Attenuated Cold Sensitivity in TRPM8 Null Mice.



EurekAlert (http://www.eurekalert.org)より