食品安全情報blog過去記事

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何故ジャーナリストたちはデータについて報道しないのか

BMJ 2007;334:1249 (16 June), doi:10.1136/bmj.39245.510718.59
Why don't journalists mention the data?
Ben Goldacre, doctor and writer, London
http://www.bmj.com/cgi/content/extract/334/7606/1249
英国のマスメディアはここ二年ほど、新しい病気としての「電磁波過敏症」のプロモーションを行っている。電磁波が原因で疲労感や集中できない、頭痛、吐き気、お腹の調子が悪い、手や足が痛いなどのいろいろな症状が出るというものである。これらの症状が電磁波によるものであれば、研究するのは簡単である。メディアは研究されていないと報道するが、実際には研究はされている。これまで37の二重盲検試験が行われ、ほとんどが電磁波過敏症の存在を否定するものであった。しかしメディアはデータを報道しないだけではなく意図的に我々をからかっているように見える。この病気を宣伝しているものたちは高価な「治療器具」などを販売していたりする。さらに否定するデータがあるという人に対しては、患者を否定し攻撃する無神経なやつだと非難を浴びせる。


参考
サイエンスメディアセンターによる電磁波過敏症報道への批判
Scientists discuss Wi-Fi and its proposed adverse health effects, in advance of BBC's Panorama programme to be screened on Monday 21 May 2007
18 May 2007
http://www.sciencemediacentre.org/press_releases/07-05-18_panoramawifi.htm
Wi-Fiが危険だという報道に異議を申し立てている。
ここでは電磁波過敏症患者を対象にした二重盲検は36件となっている。