食品安全情報blog過去記事

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赤いもの、青いもの、それとも緑のもの?

Andrew Wadge
The reds, the blues or the greens?
August 22nd 2007
http://www.fsascience.net/2007/08/22/the_reds_the_blues_or_the_greens
今日私はDaily Telegraphの記事のベリー類の写真に引き付けられた。その記事では「赤や黒や青いものを食べるように」と主張していた。
その記事では「他の果物や野菜を食べるのは止めろとは言っていない、緑色のものだけでは不十分である」と述べているが、一般人がほとんど全て色の濃い野菜や果物だけからなるメニューがいいと誤解するだろうことは簡単に予想できる。
この記事はラディッシュやナスに含まれる天然の赤や紫や青の色素の作用の可能性についての最近の実験的研究を報道するたくさんのニュースのうちの一つに過ぎない。これらの食品の色素であるアントシアニンが試験管内での大腸ガン細胞の増殖を遅くしたという研究である。
昨日再びDaily Telegraphに世界ガン研究財団の科学研究部門長のDr Greg Martinがこの研究についてバランスの取れた見解を発表している。彼の文書は全く正しく、「緑色の果物や野菜を捨ててナスやレッドキャベツに殺到する前に、これがたった一つの研究に過ぎないことを思い起こすべきである」としている。
先に書いたように、科学研究の絶えず続く単純化された報道は、食事と健康に関する公式の助言を台無しにしてしまう可能性がある。
この場合については、まっとうな助言は毎日多様な野菜や果物を食べようということで、赤や青や緑のものだけを食べようということではない。健康的な食生活はどれか一つに偏ることではない。


Daily Telegraphの記事
http://www.telegraph.co.uk/portal/main.jhtml?view=DETAILS&grid=&xml=/portal/2007/08/22/nosplit/ftblue122.xml
同紙のXanthe Clay記者が「病気予防の食事」として一週間分の赤黒青野菜果物レシピを紹介している記事。
(学会発表だけでここまで書くとは・・病気は他にもたくさんあるのに)