食品安全情報blog過去記事

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残留農薬モニタリング:第一四半期の結果、2007年1-3月

Pesticide Residues Monitoring: First Quarter Results, January to March 2007
27 September 2007
http://www.pesticides.gov.uk/prc.asp?id=2223
今回は牛肉・チョコレート・ブドウ・レタス・ミルク・ピーマン・豚肉・特殊果物・七面鳥の9種の食品524検体について調査した。
MRL超過があったのは6検体で、それぞれについてPSD(農薬安全理事会)によるリスク評価を含めて詳細に検討した。各事例においてその食品を食べた場合のヒト健康への有害影響はない。モニタリング計画により英国産レタスにクロロタロニルの不法使用が認められた。この知見についてPSDが調査中である。
これまでPSDは、MRL超過が検出された時・MRLの設定されていない農薬が検出された時・過去に摂取による懸念が同定されている時・英国産の製品に未承認農薬が使われている時、にリスク評価を行ってきた。今年からこの方法を変更し、検出された残留農薬で人の摂取量が急性参照用量(場合によっては許容一日摂取量)を超えるかどうかをまず評価し、もしその評価の結果参照用量を超過することがわかった場合に詳細リスク評価を行うことにし、その結果は報告することにする。この結果リスク剽悍お数は増える。
2007年調査計画では技術的進歩により調査対象物質の数が1検査あたり約200に増えた。2006年は129であった。この結果、今季の複数残留農薬検出数が増えるであろう。
我々は供給業者や小売業者に調査結果の詳細を報告し続ける。輸入業者や輸出国担当部門には我々の検査結果に対する説明をもとめ、回答があれば添付する。
今回リスク評価対象になったのは成人ではブドウのキャプタン・カルボフラン・シプロジニル・イプロジオン・メソミル、ピーマンのイソフェンホスメチル、夏みかんのイマザリル。子どもではブドウのカルボフラン・クロルピリホス、ピーマンのクロルピリホスメチル・イソフェンホスメチル・マラチオン・ピリミホスメチル。いずれも健康影響はない。
MRLの超過があったのはブドウのメソミルとカルボフラン、レタスのクロロタロニル、ピーマンのメソミル、パッションフルーツのシペルメトリンとチアベンダゾール。
(MRL超過とリスク評価対象は違うことに注意)
MRL超過があった検体の供給業者・輸出国担当機関、未承認農薬が検出された製品の供給業者などにはPSDから文書を送付し、その回答が掲載されている。
パッションフルーツのシペルメトリンについては、輸入業者が生産者と産地を追跡し、記録には使用の記載はなかった。従って原因としては近傍農場からのドリフトが考えられるため分離帯に加えて物理的バリアを設置した。