食品安全情報blog過去記事

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運営委員会はトランス脂肪に対して任意のアプローチを推奨

Board recommends voluntary approach for trans fats
Thursday 13 December 2007
http://www.food.gov.uk/news/newsarchive/2007/dec/trans
FSAの運営委員会は英国保健大臣に対して、食品中トランス脂肪削減のためには任意の方法で良く強制的な規制は必要ないと助言する予定である。本日行われた公開会合で決定された。
FSAは2007年10月に、デンマークニューヨーク市で行われている対策を踏まえて、トランス脂肪の規制義務化が必要かどうかレビューするよう諮問された。
根拠をレビューしたところ、英国食品産業による任意の対応で、既に最も厳しい規制で得られるものと同程度の消費者の利益が得られていることが示された。結果として英国人の平均1日摂取量は食品由来エネルギーの1%にまで下がっており、これは栄養に関する助言委員会(SACN)の推奨する最大量の半分である。SACNは平均トランス脂肪摂取量は食品総エネルギーの2%を超えないようにすべきであるとしている。
トランス脂肪は天然に肉や乳製品に存在するため、食品から完全に除去することは不可能である。
英国ではトランス脂肪より飽和脂肪による健康リスクの方が遙かに大きい。英国人は飽和脂肪を推奨摂取量11%を超えて13.3%程度食べているからである。飽和脂肪は我が国の最大早期死因である心疾患の主要リスク因子である。
従って運営委員会はトランス脂肪の摂取量モニタリングを継続することと、企業による食品中飽和脂肪レベル削減の努力に協力することに高い優先順位を置くべきであることを推奨する。FSAも消費者に対して飽和脂肪の少ない食品を選ぶよう薦め続ける。
FSA長官のDame Deirdre Huttonは、「トランス脂肪の任意の削減は、規制機関と企業が公衆衛生のために協力した偉大な事例である。この問題に企業が対応してくれたことは非常に喜ばしく、この決定は塩分と飽和脂肪についての将来の課題に対応する跳躍台となるであろう」と述べている。
FSAは2007年12月19日にこの助言を大臣に提出し、保健省が規制の必要性について最終決定を行うであろう。