食品安全情報blog過去記事

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飼料添加物として認可されているモネンシンの非標的飼料への交差汚染に関するCONTAMパネルの意見

Cross-contamination of non-target feedingstuffs by monensin authorised for use as a feed additive [1] Scientific Opinion of the Panel on Contaminants in the Food Chain
28/01/2008
http://www.efsa.europa.eu/EFSA/efsa_locale-1178620753812_1178681116655.htm
モネンシンはニワトリやシチメンチョウの飼料に60-125 mg/kgで認可されているコクシジウム抑制剤である。飼料業者規制により要求されている事項が守られていても実際には一部の飼料に交差汚染がおこり、非標的動物用の飼料に混入することがある。
毒性症状としてはイオノフォア性コクシジウム抑制剤の作用機序に一致した心・筋・神経への影響が報告されている。最も感受性が高いのはウマで、致死量が2 mg/kg以下と報告されている。イヌや小型反芻動物、アヒルもポリエーテルイオノフォアに非常に感受性が高い。認可されている最大量のモネンシンを含む飼料が10%交差汚染した場合(12.5 mg/kg飼料)、非標的動物でのモネンシン摂取量は最大0.6 mg/kg/日となりイヌやウサギの毒性試験におけるNOAEL 0.3 mg/kg/日を超える。従ってウマや他の動物で中毒症状がでる可能性がある。CONTAMパネルは認可されている最大濃度のモネンシンを含む飼料の交差汚染が5%以上の場合、非標的動物での有害健康影響が起こりうると結論した。
モネンシンの速度論研究データから、モネンシンは速やかに吸収・代謝・排泄されることがわかっている。最も高濃度に残留するのは肝であり、他の部位の残留は無視できる。最大認可濃度の飼料の10%交差汚染飼料を食べた非標的動物由来食品によるヒト暴露量はADI 3 microg/kgより十分低い。従って消費者へのリスクは無視できる。