食品安全情報blog過去記事

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B. Braunが汚染ヘパリン製品をリコール

B. Braun Recalls Contaminated Heparin Products in Canada
March 20, 2008
http://www.hc-sc.gc.ca/ahc-asc/media/advisories-avis/_2008/2008_49_e.html
ヘルスカナダの検査により、カナダで販売されているB. Braun Medical Inc.社のヘパリン製品に汚染物質が検出された。ヘルスカナダは同社と協力して問題の製品の回収にあたっている。
汚染物質は過硫酸化コンドロイチン硫酸で、これまで米国とオーストラリアでもヘパリン製品から検出されている。
カナダではアレルギー反応を含むヘパリン製品による有害事象の増加はない。


以下関連
・ヘパリン製品の使用に関する緊急安全性助言
Urgent safety advisory on use of Heparin products
20 March 2008
http://www.tga.gov.au/alerts/medicines/heparin.htm
米国でのヘパリン静注に関連するアナフィラキシー事例とヘパリンからの汚染物質検出報告により、TGAはオーストラリアの市場にある製品の検査を行った。
その結果Astra Zenecaがオーストラリアで販売していたヘパリン製品からFDAが検出したものと同じ汚染物質が検出された。他の製品についても検査を続行中である。現時点でTGAにはオーストラリアでのヘパリン使用による有害事象報告の増加は認められていない。


・MedHeadlinesより
ヘパリン中の物質がわかった
Substance in Heparin Found
Mar 20th, 2008
http://medheadlines.com/2008/03/20/substance-in-heparin-found/
ヘパリン中の汚染物質は過硫酸化コンドロイチン硫酸で、よくあるサプリメントのコンドロイチン硫酸にさらに硫酸がついたもの。過硫酸化コンドロイチン硫酸はヘパリンと違って血液凝固抑制作用はないが化学組成はヘパリンと良く似たものになる。
ヘパリンはブタの小腸から作られる。コンドロイチン硫酸はブタ軟骨由来でたくさん取れ、ヘパリンより安価である。中国では昨年非常に毒性の高いブタのウイルスが流行し、ブタの数がかなり減った。コンドロイチンの作成コストはヘパリンのわずか5%で、FDAのヘパリン検査によれば中には50%が汚染物質だったものもある。

コンドロイチン硫酸はサプリメントとして出回っているが過硫酸化コンドロイチン硫酸は天然に生じることはなく、化学処理されたものと考えられる。
(ものすごく悪質な事件)