食品安全情報blog過去記事

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有毒ハチミツ中毒による食品安全警告

(NZFSAがまだ発表していないので)
ニュージーランドヘラルド
Food Safety warning as three treated for toxic honey poisoning
Saturday March 22, 2008
http://www.nzherald.co.nz/section/1/story.cfm?c_id=1&objectid=10499576
コロマンデル地方でハチミツ(巣つきの)を食べて3人が入院した。32才の男性と3才の子どもは食べて数時間後に嘔吐し始め、痙攣をおこした。地方衛生当局のスポークスマンによればツチンtutin(ドクウツギに含まれる毒素)が高濃度 に含まれる可能性がある。
過去には有毒ハチミツで多くの人々が死んだ。最近の記録では1974年に13人が市販のハチミツで病気になっている。1974年から9例があり1991年が最新事例である。
ハチミツによる中毒事例のうち2つは1982年と1983年にMarlborough Soundsの趣味でミツバチを飼っていた人が作ったハチミツで起こっている。この地方のハチミツのツチン濃度が過去最高であった。
NZFSAはCoromandel、Eastern Bay、Plenty 及び Marlborough Soundsの養蜂家に対して、この地方は条件により有毒ハチミツができやすいことを警告している。

  • ツチン Tutin

RN: 2571-22-4
中枢興奮作用がある
クロトキシン類
LD50は腹腔内投与でマウス3 mg/kg

ハチミツのツチン汚染
Tutin Contamination of Honey
March 22, 2008
http://www.nba.org.nz/Article383.htm
ニュージーランド養蜂家協会はCoromandelのツチン中毒事件について大変心配している。現在NZFSAと協力してこの問題を調査している。
養蜂家は有毒な蜜が集められるのを防ぐようにしている。
巣入りのハチミツは高濃度のツチンを食べてしまうリスクが高い。
問題はWhangamata地方で作られた巣付きハチミツにあるようだ。12月以降 Coromandelのコロニーが集めた巣付きハチミツを食べないように。
ハチミツのツチン汚染は、ミツバチがCoriaria arborea(ドクウツギドクウツギ属の低木種、ニュージーランドでの呼び名tutu)の樹液を吸った昆虫 passion vine hopper(Scolypopa Australis)の浸出液を集めるとおこる。

  • 有毒ハチミツについての背景情報

BACKGROUND ON TOXIC HONEY
October 2003
http://www.nzfsa.govt.nz/animalproducts/publications/info-pamphlet/bee-products/toxic-honey.htm
ツチンはミツバチには影響はなく、有毒ハチミツは味や臭いや見た目では区別できない。加熱や加工により分解されない。
巣のついていないハチミツはブレンドされたり混合されたりしているので高濃度のツチンを摂るリスクは巣付きのハチミツのほうが高い。