食品安全情報blog過去記事

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一般人用(食品サプリメントを含む)及び特定栄養目的用の銅・亜鉛・ カルシウム・マグネシウム・ニコチン酸グリシン酸塩源としてのある種のビスグリシン酸塩についてのAFCパネルの意見

Opinion on certain bisglycinates as sources of copper, zinc, calcium, magnesium and glycinate nicotinate as source of chromium in foods intended for the general population (including food supplements) and foods for particular nutritional uses[1] - Scientific Opinion of the Scientific Panel on Food Additives, Flavourings, Processing Aids and Materials in Contact with Food
09/06/2008
http://www.efsa.europa.eu/EFSA/efsa_locale-1178620753812_1178713218484.htm
サプリメントの銅源としてのビスグリシン酸銅キレートとクロム源としてのニコチン酸グリシン酸クロム、食品やサプリメントのカルシウム源としてのビスグリシン酸カルシウムキレートとマグネシウム源としてのビスグリシン酸マグネシウムキレート、一般人用(食品サプリメントを含む)及び特定栄養目的用の亜鉛源としてのビスグリシン酸亜鉛キレートについての意見を諮問された。
この意見は微量栄養素陽イオンのビスグリシン酸塩塩の安全性と生物学的利用度についてのもので、微量栄養素陽イオンそのものの安全性については扱わない。この意見で検討しているビスグリシン酸塩は二価の金属陽イオンが2分子のグリシンと結合したものである。金属はグリシンのカルボキシル基とアルファアミノ基に配位共有結合して二つのヘテロ環を形成する。この1:2の金属と配位子の比は食品中の金属吸収阻害因子との反応を制限し酸化反応に関与しない。
提案されている使用条件では一日摂取量は既存サプリメントの使用の場合と同様である。経口投与で生物学的に利用できるというデータが提出されている。 遺伝毒性試験は行われていないが、グリシンニコチン酸に遺伝毒性の懸念はない。
化学構造の類似性から2006年にAFCが検討したビスグリシン酸第一鉄のグリシン部分の毒性学的性質と同様であると考えられ、NOAEL は約400 mgグリシン酸/kg体重/日となる。保守的推定を行った場合の食事からの暴露量はNOAELを下回る。グリシンは既にEUで食品への使用を認められている。食品添加物としてのグリシンはADIを規定しないとされている。従って検討対象とした化合物中ニコチン酸グリシン酸クロム以外については安全上の懸念はない。ニコチン酸グリシン酸クロム複合体については成分に関する情報が不足しているため結論が出せない。