食品安全情報blog過去記事

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E-Factor 2008年7月号

Environmental Factor July 2008 issue
http://www.niehs.nih.gov/news/newsletter/critique.cfm
BPA報告書案のパブリックコメントと委員会レビュー
Draft BPA Report Gets Public Comment and Board Review
6月11-12日にNTPの科学諮問委員会(BSC)が、NTPのビスフェノールA概要案について検討した。NTPの概要案は2007年8月に発表された専門家委員会報告書に基づくものであるが、専門家委員会より懸念レベルを高くしていた。BSCはこのことについて、懸念レベルを下げるよう助言している。
またCERHRのMike Shelby博士はNTPの概要案はヒト健康影響の可能性について評価したもので規制文書と混同すべきではないと何度も念を押した。
NTPのビスフェノールAモノグラフは夏の終わり頃発表される予定。
BSCによる意見は以下
Actions on the Draft NTP Brief on Bisphenol A by the NTP Board of Scientific Counselors (BSC)
June 11, 2008
http://ntp.niehs.nih.gov/files/BSCactionsBPA_508.pdf
NTPの概要案で提示された懸念レベルについてBSCが同意したのは
・ 胎児・乳児・子どもの神経や行動影響について幾分かの懸念がある (some concern)、全員一致(12対0)
・ 胎児・乳児・子どもの前立腺への影響を根拠に幾分かの懸念がある(some concern)、(10対2)
・ 妊娠女性のビスフェノールA暴露が胎児や新生児の死亡や体重や成長に与える影響は無視できる(negligible consern)、(11対1)
・ 職業暴露されていない成人についてビスフェノールAの影響は無視できる(negligible consern)、全員一致(12対0)
・ 職業上高濃度のビスフェノールAに暴露されている成人については最小限の懸念がある(minimal concern)、(11対0、棄権1)
BSCが同意しなかったのは
・ 胎児・乳児・子どもの乳腺への影響を根拠に幾分かの懸念がある(some concern)というのは最小限の懸念がある(minimal concern)にレベルダウンすべき、(7対4、棄権1)
・ 胎児・乳児・子どもの女性の思春期早発への影響を根拠に幾分かの懸念がある(some concern)というのは最小限の懸念がある(minimal concern)にレベルダウンすべき、(7対4、棄権1)

(懸念レベルは5段階。上から順にserious concern、 concern、some concern、 minimal concern及び negligible concern。規制が検討されるのは通常上の二つまで。)