食品安全情報blog過去記事

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冠動脈疾患患者にとってビタミンBは心血管系イベントリスクを下げないだろう

For coronary artery disease patients, B vitamins may not reduce cardiovascular events
19-Aug-2008
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2008-08/jaaj-fca081408.php
JAMAの8月20日号に発表された大規模臨床試験の結果、ビタミンB類は冠動脈疾患患者の死亡や心血管イベントを予防する効果はない。
血中ホモシステイン濃度と冠動脈系心疾患リスクが関連するという観察研究があり、葉酸ビタミンB12の経口投与でホモシステイン濃度は下げられる。そこでホモシステイン濃度を下げることの死亡や発作への影響を調べた。
1999-2006年にノルウェーの病院の3096人の患者を対象にして、毎日葉酸0.8mgプラスビタミンB12 0.4 mgプラスビタミンB6 40mg(n=772)、葉酸プラスビタミンB12 (n=772)、ビタミンB6のみ(n=772)、プラセボ(n=780)の4群に無作為に割りつけた。
この研究は同様のノルウェーの研究でビタミンB類が効果がないだけでなくがんのリスクをあげる可能性が示唆されたことから早期に中止された。
結果として血中ホモシステイン濃度は下がっていたが葉酸やビタミンBによる予防効果は見られなかった。
オープンアクセス
JAMA. 2008; 300[7]: 795-804
Mortality and Cardiovascular Events in Patients Treated With Homocysteine-Lowering B Vitamins After Coronary Angiography
http://jama.ama-assn.org/cgi/content/full/300/7/795
(これまでも何度も報告されているが心血管系疾患におけるホモシステイン仮説は否定された。)