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ユーロバロメータ:クローン動物に対するヨーロッパ人の態度

Eurobarometer: Europeans’ attitudes towards animal cloning
プレスリリース
ユーロバロメータによればヨーロッパ人は食用クローン動物には極めて懐疑的
Europeans are very sceptical about animal cloning for food production, Eurobarometer reveals
09/10/2008
http://europa.eu/rapid/pressReleasesAction.do?reference=IP/08/1478&format=HTML&aged=0&language=EN
本日欧州委員会に提示されたユーロバロメータ速報によれば、ヨーロッパ市民は食用クローン動物には概して否定的である。この調査は市民のクローン動物への態度について評価するために行われたものである。最初に、クローン動物とは何かについては10人中8人が正しく理解しており知識はある、次に81%はクローン動物を作ることの自然への長期影響が不明だとし、84%がクローン動物を食用にすることが健康や安全性に長期的にどう影響するかについて十分な経験がないと感じているなど否定的であった。


要約
http://ec.europa.eu/food/food/resources/docs/eurobarometer_cloning_sum_en.pdf
調査は2008年7月3-7日に、EU 27ヶ国の15才以上の無作為に選んだ25000を対象に行われた。各国あたり約1000人に固定電話でインタビューした。フィンランドオーストリアでは携帯電話も対象にした。電話を設置している人が少ないチェコエストニアなどの数カ国については面談による調査も行った。
主な知見
・ 81%はクローン動物という単語を知っていて、クローンとはある動物と同じコピーを作ることだと正しく回答したのは80%だった。7%のみがクローン動物という言葉は聞いたことがないと回答した。
・ 倫理的問題についての意見で多くの人が同意すると回答したのは
クローン動物の自然への長期影響はわからない 84%
クローン動物を作ることはヒトクローンを作ることにつながる 77%
クローン動物は倫理上悪いことである 61%
クローンを作成することで家畜の遺伝的多様性が減る 63%
クローン動物が動物に不必要な痛みや苦痛をもたらすかどうかについては意見 が分かれており、41%は同意42%は不同意であった
・絶滅危惧動物のクローンについては制約無しに正当化できるとしたのは23%で、44%は一定条件下で認めるとした。食用クローン動物については58%が決して正当化できないと回答した。


分析報告書
http://ec.europa.eu/food/food/resources/docs/eurobarometer_cloning_en.pdf