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更新 MON810 と NK603トウモロコシの安全性

Update: Safety of MON810 and NK603 corn lines
November 2008
http://www.foodstandards.gov.au/newsroom/factsheets/factsheets2008/updatesafetyofmon8104121.cfm
グリーンピースインターナショナルが「遺伝子組換えトウモロコシNK603xMON810を与えたマウスの長期生殖影響」と題する新しい未発表報告書が出されたと宣伝した。この研究はオーストリア政府が資金を出してウィーン大学が行ったマウスにおけるGMトウモロコシの長期混餌投与試験である。この研究でGMトウモロコシを与えた群で通常トウモロコシを与えた群より生殖能が低下したとし、GM食品や飼料の安全性試験に同様の動物での生殖試験を行うべきだと結論している。
FSANZは報告書を入手してそのデータや統計分析を評価している。EFSAも同様にオーストリアの報告を評価しているだろう。
背景
オーストリアの試験で用いられたGM作物は2つの独立した遺伝子組換えトウモロコシNK603と MON810の通常交配種である。MON810は害虫抵抗性がありNK603は除草剤耐性がある。独立したGM系統が評価され承認されると、それらはさらなる評価なしに通常の交配に使用できる。
FSANZはNK603と MON810を評価しており、評価文書はウェブから入手できる。 FSANZはマウスの試験を含む全てのデータを評価して人が食べても安全であると結論している。
FSANZはオーストリア政府がMON810やその他のGM作物に対していろいろな理由で何年にも渡り数多くの一時停止を課していることを承知している。2008年5月8日にはEFSAの評価に基づき欧州委員会オーストリアにMON810の輸入一次停止を解除するよう要求した。オーストリアはMON810の栽培についてのみ一時停止を延長している。

(http://d.hatena.ne.jp/uneyama/20081113#p18の件)