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IARCは世界がん報告書2008を発表

IARC launches the World Cancer Report 2008
19/12/2008
http://www.iarc.fr/en/Media-Centre/IARC-Press-Releases/Communiques-recents/IARC-launches-the-World-Cancer-Report-2008
世界のがん負荷は過去30年間に2倍になった。2008年は新たにがんと診断される人1200万人、がんによる死亡700万人、5年以内にがんと診断されて生きている人2500万人と推定される。世界人口の増加と高齢化ががんを増やす。がんの増加は所得の低い国に影響が大きい。医療費が限られており伝染病対策に手一杯でがんの治療はほとんどできないからである。
EUや米国などのリソースに富む国ではがん死亡は減少しているがリソースに乏しい国では苦痛の緩和しかできない。放射線治療機器が1台もない国が30ヶ国ある。
一方この報告書では明確な希望のあるメッセージを送っている。がんは増加しているが、予防可能なものが多くがんの理解は進んでいる。
最もよく知られた主要ヒト発がん物質は煙草である。そして低所得国における最悪の煙草の流行はまだ実体化していない。煙草の規制が資源の多寡に関わりなく各国にとって主要な課題である。そしてたばこ税の増税や禁煙などが煙草抑制に有効であることが示されている。
低所得国では慢性感染症によるがんの対策にワクチン接種が利用できる。最も貧しい国では予防が適切である。
World Cancer Report 2008
http://www.who.int/bookorders/anglais/detart1.jsp?sesslan=1&codlan=1&codcol=76&codcch=26