食品安全情報blog過去記事

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カナダ副作用ニュースレター2009年1月号

Canadian Adverse Reaction Newsletter
Volume 19 - Issue 1 - January 2009
http://www.hc-sc.gc.ca/dhp-mps/medeff/bulletin/carn-bcei_v19n1-eng.php

カナダ副作用ニュースレター2004年1月号でエキナセアイチョウセントジョーンズワートに関する安全上の懸念について報告した。それは1998年1月1日から2003年6月30日までの有害事象報告に基づいたものだったので2008年5月31日までの報告に更新した。
これでエキナセアに関する有害事象報告は21件、イチョウが24件、セントジョーンズワートが11件になった。
さらにバレリアン含有製品について1990年1月1日から2008年5月31日までに31件の有害事象報告があり、そのうち15件が幻覚や悪夢などの精神的なものであった。

  • プロポリスによる腎障害疑いの事例報告

プロポリスは感染や炎症用などいろいろな目的でナチュラルヘルス製品に単独又は組み合わせて使用されている。2005年4月にカナダ副作用ニュースレターでアレルギーや皮膚炎などの有害事象を報告している。
今回グルテン腸症の既往症のある3才の少年がプロポリスを摂って急性腎不全になった事例が報告された。グルテン腸症は食事制限により安定していた。この少年はプロポリスを含むホメオパシー製品を炎症予防目的で週に2-3回使っていた。実際のプロポリスの量や形態は不明である。さらに各種ナチュラルヘルス製品をばらばらに使っていたが、詳細は不明である。約4ヶ月ほどプロポリスを使ったあと、血清クレアチニンレベルが84 μmol/L以上(5才未満の子どもの正常値は< 53 μmol/L)に上昇し、プロポリス製品の使用をやめたら下がった。
文献にプロポリスによる血液透析が必要な急性腎障害の事例報告がある。