食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

アスピリン、サリチル酸塩、そしてがん

Aspirin, salicylates, and cancer
Peter C Elwood et al.
The Lancet, Early Online Publication, 27 March 2009
doi:10.1016/S0140-6736(09)60243-9
アスピリンや関連非ス剤による大腸がんリスク削減作用と野菜や果物の天然サリチル酸塩による大腸がんリスク削減作用についてのレビュー。
ストレスのない植物でのサリチル酸濃度は新鮮重量で0.05microg/g程度であるが、病原体を注入されるとその周辺で4-8 microg/gに増加し、植物全体では1microg/gになる。暑さや寒さでも増加し、甘やかされた環境で育った作物はサリチル酸塩濃度が低い傾向にある。またサリチル酸塩の多い植物もある。このサリチル酸塩が大腸がんリスク削減においてアスピリンと同様の作用をしている可能性がある。(サリチル酸アスピリンの主要代謝物)
アスピリン過敏症の人は有機栽培でない作物のほうが安全)