食品安全情報blog過去記事

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IPCS 国際化学物質管理への戦略的アプローチ(SAICM):保健部門

Strategic Approach to International Chemicals Management (SAICM): Health Sector Focus
http://www.who.int/ipcs/features/saicm_revised/en/index.html
2009年5月15日に終了した会合の報告。
公衆衛生に関するハイレベル円卓会議で発表されたMaria Neira博士の声明
Statement by Dr Maria Neira, Director, Department of Public Health and Environment, World Health Organization Second session of the International Conference on Chemicals Management
(11-15 May 2009)
High-level round-table on public health, the environment and chemicals management http://www.who.int/environmental_health_emergencies/Neira_WHO_Statement.pdf
世界的に約1/4の疾患負荷は環境による。化学物質も原因の一つでその多くは政策により予防できる。
我々は何年もの間水銀や鉛やアスベストなどの化学物質による公衆衛生リスクについて認識してきた。しかし我々がここジュネーブにいる間にも、アスベストの職業暴露により毎年9万人が死亡している。世界中の子どもたちが塗料や非公式のバッテリーリサイクルにより鉛に暴露されている。セネガルでは1000人ほどの人々がリサイクルバッテリーの鉛により中毒になり18人の子どもが死亡した。人々の住宅の内外の高い鉛濃度により、多くの子どもたちに不可逆的神経障害が見られる。一部の子どもたちの血中鉛濃度は神経発育不全に関連する濃度の10倍以上であり緊急な措置が必要で許容できない。
多くの国では手作業による金の採掘が行われており、水銀の暴露源となっている。このことは我々全てが知っている。では何故世界の人々を守るための対策が執られないのか、特に途上国で?
さらにある。コートジボワールでの2006年の有毒廃棄物の不法投棄は85000人以上の健康に影響し8人が死亡した。非意図的中毒による事故は毎年355000人の人々を殺している。我々の知らない事故についてはどうだろうか?この数は氷山の一角に過ぎない。
保健当局は化学物質のリスクについての情報を集め広く知らせ、事故を防ぎ犠牲者を治療するなどの幅広い責任がある。

  • WHO Food Additives Series No. 60, 2009

http://whqlibdoc.who.int/publications/2009/9789241660600_eng.pdf