食品安全情報blog過去記事

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米とオート麦を含む穀物ベースの飲料

Cereal-based beverages including rice and oat drinks
June 09
http://www.foodstandards.gov.au/newsroom/factsheets/factsheets2009/cerealbasedbeverages.cfm
穀物ベースの飲料とは何で、その目的は何か?
穀物ベースの飲料は、米やオート麦などのような穀物から作られて主にミルクや豆乳代用品として使用される。穀物ベースの飲料は、乳製品や大豆製品にアレルギーがあったり不耐だったりする人々、又は健康や倫理上の理由で乳製品を消費しないことを選択した人々に使用されている。
乳製品や大豆製品にアレルギーがあったり不耐だったりする人々にとって、穀物ベースの飲料は飲料や調理用に牛乳や豆乳の代わりに使うことができる。完全菜食主義者のような他の理由で乳製品を避けている人たちにとっては、穀物ベースの飲料は利用できる乳代用品の選択肢を広げることになる。
穀物ベースの飲料の栄養組成はミルクに匹敵するか?
ノー。穀物ベースの飲料の組成はミルクとは違う。蛋白質量はミルクより少なく一般的にミルクの約10%しか含まない。一部の穀物ベースの飲料には蛋白質を添加したものもあるが、それでもミルクと同等ではない。またビタミンやミネラル含量も違う。ミルクは天然に穀物ベースの飲料より高濃度で広範なビタミンやミネラルを含む。
穀物ベースの飲料には、オーストラリア・ニュージーランド食品基準に従ってカルシウムやリボフラビンビタミンDなどのビタミンやミネラルを添加することができる。これら添加ビタミンやミネラルは穀物ベースの飲料をミルクに近づけるようにしている。これらの添加は任意であり、製造業者毎に添加されるビタミンやミネラルは違う可能性があることに注意する必要がある。

何故穀物ベースの飲料は5才未満の子どものミルク代用品には適さないのか?
消費者や保護者や医療関係者は、穀物ベースの飲料は一般的にミルクの約10%しか蛋白質を含まないことを承知しておく必要がある。このことは子どもが穀物ベースの飲料を飲む場合に特に重要である。子どもたちは正常な成長や発育のために適量の蛋白質が必要だからである。ミルクはほとんどの子どもたちにとって、特に5才以下の場合、重要な蛋白質源である。もし子どもに乳や豆乳の代わりに穀物ベースの飲料を飲む必要があるのであれば、他の食品から適切な蛋白質を摂る必要がある。

これらの製品に何故助言表示が必要なのか?
穀物ベースの飲料の蛋白質含量が少なく、これらの製品を摂っている子どもに蛋白質不足のリスクがあるため、これらの製品には特別な助言表示が必要である。蛋白質料の少ない全ての穀物ベースの飲料に「この製品は5才以下の子どもの完全乳代用品には適さない」という表示が必要である。
さらに最近英国FSAの米飲料のヒ素含量調査の結果、1-4才半までの乳幼児が米飲料を飲むと無機ヒ素の摂取量が増加する可能性が示された。ヒ素は食品や水や環境中に広く存在する天然汚染物質である。企業は食品中のヒ素濃度を合理的に達成可能な限り低く維持しなければならない(オーストラリア・ニュージーランド食品基準では米を含む穀物の総ヒ素濃度は1 mg/kgが最大規制値とされている)。この知見は、5才以下の子どもには米飲料を栄養的にバランスのとれた食生活の一環として牛乳又は豆乳代用品として必要なときのみ与えるという助言を補強するものである。
さらなる情報は専門家に。
アレルギーや不耐のある小さい子ども用には低アレルギーミルクがある。