食品安全情報blog過去記事

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リスクのハザード

The hazards of risk
Andrew Wadge
June 5th 2009
http://www.fsascience.net/2009/06/05/the_hazards_of_risk
科学者にとってハザードとリスクは全然違う意味を持つのに、メディアは、食の安全を語るときにはしばしば同じような意味で使うのにイライラする。
汚染物質に無い残する毒性−ハザード−と、食品やその他の経路からどれだけ摂るかを考慮した個人に与える実際のリスクとを区別することがFSAの食品安全任務の中核である。みなさん御存知のように、これは新しい考えではない。16世紀にパラケルススが「用量が毒か薬かを決める」と教え、我々は汚染物質の健康影響を知るためには、不確実性や感受性の高い集団の摂取パターンを考慮しながら食品中の濃度を知ることが必須であることを知っている。このようなアプローチにより全ての根拠と不確実性を考慮しながら独立したリスク評価ができる。
科学的知見が増えることは必ずしも消費者への助言のコミュニケーションを簡単にするとは限らない。分析化学の発達により食品中のごくごく微量の汚染物質までが検出できるようになった。これらの進歩は食品安全に寄与するかもしれないが、高濃度では毒性があるが通常暴露されている量では健康に影響のない汚染物質についてはほとんど又は全く意味がない。
真の大問題はどのようにしてリスクを効果的にコミュニケートするかである。
(リスクを誇張する)報道の見出しを見て、これがうまくいっていないことがわかる。リスクについてのメッセージを明確にするにはどうしたら良いだろうか?