食品安全情報blog過去記事

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EFSAは食品の残留農薬に関する最初の報告書を発行

EFSA publishes its first report on pesticide residues in food
9 July 2009
http://www.efsa.europa.eu/EFSA/efsa_locale-1178620753812_1211902665715.htm
EFSAは2007年のEU全体で観察された食品中の残留農薬の概要を示し食事由来の消費者暴露を評価した最初の年次残留農薬報告書を発表した。この報告書はほとんどの検体が残留農薬の規制値に合致していることを示し、農薬暴露評価のために必要なデータ収集について一連の助言を行った。
この報告書はEFSAの農薬リスク評価ピアレビュー(PRAPeR)委員会が作成したものである。検査した検体の96%はMRLを守っており、MRL超過は4%であった。
2007年は350近くの異なるタイプの食品74000検体以上を検査した。2006年より13%増加している。また検査対象の農薬も870と2006年より13%増加した。
慢性暴露及び急性暴露による消費者のリスクは最悪シナリオにより評価した。

2007 Annual Report on Pesticide Residues according to Article 32 of Regulation (EC) No 396/2005
9 July 2009
http://www.efsa.europa.eu/EFSA/efsa_locale-1178620753812_1211902667778.htm
保守的推定下で、慢性暴露での消費者の健康上の懸念が排除できなかったのはダイアジノンのみであった。しかしながらダイアジノンのMRLは2007年末に引き下げられ、ダイアジノンを含む農薬はEU域内では既に認可されていない。
急性暴露に関しては、摂取量の多い作物と高い残留濃度の組み合わせが見られたのは52の農薬/作物の組み合わせであった。毒性学的参照用量からの超過が大きかったのはレタスのメソミル/チオジカルブ(ARfDの6241%)、メタミドホス/レタス(2242%)、プロパルギット/リンゴ(1959%)、プロシミドン/レタス(1683%)、メタミドホス/キャベツ(1526%)であった。しかしながらこの計算で用いた摂取がおこることは、問題のある残留と大量に食べることの両方が頻度が少ないため極めてありそうにない。問題のある摂取がおこる可能性が排除できない29の農薬/作物の組み合わせについては既にリスク管理対策がとられている。