食品安全情報blog過去記事

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その他

  • The Pew Research Center for the People & the Pressの調査報告書

一般の人々は科学を称賛し、科学者は一般人やメディアを批判する
科学の業績は10年前より低い
Public Praises Science; Scientists Fault Public, Media Scientific Achievements Less Prominent Than a Decade Ago
July 9, 2009
http://people-press.org/report/528/
アメリカ人は科学が好きで多くの人は科学は人々を生きやすくし、科学が社会にとってポジティブな影響を与えたと言っている。また政府の科学技術への投資は長期的には元が取れるとも言っている。また科学者は社会の福祉に貢献しているとみなされている。
しかし米国の科学者の世界での地位については17%しか世界一だと思っていない。一方AAASとの共同で行った調査では科学者は49%が米国の成果が世界一だと思っている。
また一般人が科学者を尊敬しているのに比べて科学者は一般人の知識や予想をあまり好意的には捉えていない。科学者の85%は一般人が科学知識に欠けていると思っていて49%は一般人が科学の成果について現実的でない期待を抱いていると考えている。
さらに科学者の76%はメディア報道が根拠のある知見とそうでない知見を区別できないことが科学にとって問題だと言っている。48%はメディアが過剰な単純化をすることが大きな問題だとしている。特にテレビ報道に対して批判的である。
以下いろいろ
ところで科学的知識については65才以上より30才以下の方が成績がよい

  • あなたの化粧品は有害?Daily Mailの2009年7月6日の記事

Sense about science
Are your toiletries toxic? The Daily Mail, 6th July 2009
13 July 2009
http://www.senseaboutscience.org.uk/index.php/site/other/373
この記事は化粧品のパラベンとがんの関連についての懸念を説明している。記事によればパラベンの中には「紫外線にあたると変異してフリーラジカルを作り、皮膚の加齢を促進し皮膚がんをつくる」ことを示唆する研究がある。さらに多くの化粧品に含まれるアルコールがパラベンの皮膚への浸透を促進すると付け加えている。
化学物質や医薬品の皮膚への浸透と安全性について研究しているGary Moss博士と皮膚毒性学者Simon Wilkinson博士は以下のように述べている:
「この研究はメチルパラベンが紫外線に暴露されたり酵素で分解されたりするとDNA傷害作用をもつフリーラジカルが生じることがあることを示したものである。しかしながらこの実験は実験室でのもので、化学物質が皮膚に吸収されるかどうかやヒトの皮膚細胞で分解されるかどうかについては考慮していない。皮膚は他にもたくさんのフリーラジカル源に暴露されており、それらに対応するための修復メカニズムを持っている。このプロセスの説明に「変異」という単語を使うのは極めて感情的で不正確である。」
「この記事はアルコールと呼んでいるが種類を明確にしていない。エタノールは分子が皮膚にはいるのを助ける作用を持つ。エタノールを含む化粧品でパラベンも同時に含むものはありそうにない−パラベンは抗菌剤でエタノールも抗菌剤だから。」


化粧品のパラベン
Parabens in makeup
http://www.senseaboutscience.org.uk/index.php/site/other/203
保存料のパラベンを入れない場合のクリームのカビ発生の様子を動画と写真で提供している。

  • 余談

パラベンで思い出した
「世界一の美女になるダイエット 」 エリカ アンギャル
という本が良く売れているらしいのだけれど
著者のサイトがあった
http://www.gorgeous-skin.com/health_beauty.htm

なんというかいろいろ間違ったことが書いてあって
テロメアが短くなると細胞が死んで老化するとか(それってがん細胞になるのが理想ってこと?)
http://www.gorgeous-skin.com/janfeb09.htm

毎朝pH試験紙を舐めて身体が酸性かアルカリ性か確認するといいとか
http://www.gorgeous-skin.com/janfeb08.htm

パラベンは悪いんだよは2007年11/12月の記事
http://www.gorgeous-skin.com/novdec07.htm

ヨガとか気功とか禅とかデトックスとかの単語とあちこちの論文からつまみ食いした適当な用語(ポリフェノールとかレスベラトロールは好きらしい)のいいかげんな混合物で、こういうのが「ミス・ユニバース・ジャパン公式栄養コンサルタント」なんだ。
みのもんた若い女性向けバージョン?という趣。
ダークチョコレートは抗酸化物質が多いから身体にいいのだというようなことを書いてるけれど、チョコレートに含まれるポリフェノールカドミウムアフラトキシンのリスクベネフィットを定量計算して至適摂取量を算出できるかといったら、この人には多分無理でしょう。量の概念はなさそうだし。
日本の女の子と、正統派の栄養学の両方が舐められまくってます。