食品安全情報blog過去記事

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オーガニック論争続報

Prince of Wales prepares for an organic dispute
http://www.telegraph.co.uk/news/newstopics/theroyalfamily/5960819/Prince-of-Wales-prepares-for-an-organic-dispute.html
チャールズ皇太子はオーガニック食品を「信じている」。化学物質で処理された野菜や抗生物質を使った肉がちゃんとした(オーガニック)食品と同じだなんて馬鹿げている、と語ったと報じている。
(いみじくも信仰であることを明示。)

  • Bad Science

August 1st, 2009 by Ben Goldacre
http://www.badscience.net/2009/08/check-me-out-i-bought-some-posh-chocolate-im-political/
FSAの報告書に反論したSoil Associationの声明の「間違った主張」を解説。
その1:論点ずらし
栄養についての報告なのに環境や農薬を持ち出す
その2:反則すれすれの主張
FSAの報告では農薬の有害性が測定できないと主張。彼らの言う有害性や有効性は30年以上食べ続けなければわからないのだそうだ。
その3:「系統的レビュー」についての一般の無理解をいいことに誤解させる
Soil Associationが根拠とする報告がFSAの報告書に引用されていないと主張しているが、系統的レビューでは一定の基準に達した論文をふるい分ける作業を行っているので、無視したのではなく落とされただけである。Soil Associationが根拠と主張する120の文献リストを見てみたが、そのほとんどが関係のないものだった。14件は消費者がオーガニックに期待することについてのもので、次の22は生産方法の影響についてであったがラットの論文だったりして基準に合致していない。さらに多くは論文になっていない学会発表だったりする。それらが系統的レビューで採択されないのは当然である。
このような感情に基づいたオーガニック支持が我々の食糧供給において解決すべき問題を悪化させる。