食品安全情報blog過去記事

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その他論文やニュース

  • 人口統計学:子どもが戻ってくる

Nature 460, 693-694 (6 August 2009)
Demography: Babies make a comeback
Shripad Tuljapurkar
http://www.nature.com/nature/journal/v460/n7256//full/460693a.html
Nature 460, 741-743 (6 August 2009)
Mikko Myrskyl
Advances in development reverse fertility declines
http://www.nature.com/nature/journal/v460/n7256/full/nature08230.html
国が豊かになると出生率が下がるが一定のレベルにまで下がると今度は上昇するJ字曲線を描く。豊かさの指標として人間開発指数HDI)を用いた場合出生率が最低になるのは0.9-0.92の間で、0.95を超えると出生率が高くなる。これにあてはまらないのが日本・韓国・カナダで、これは政治的問題を反映している。特にアジア地域でのジェンダーの不平等の大きさを示唆している。

  • 恐怖に便乗:Dr. Searsの危険性

Cashing In On Fear: The Danger of Dr. Sears
John Snyder
http://www.sciencebasedmedicine.org/?p=512
小さな子どもを持つ保護者がワクチンの接種に関してDr. Searsの本を読んだと言って来る。Dr. Searsはメディアへの出演頻度が高く多くの本を書いていてウェブサイトも運営している。特に有名な本「ワクチンブック 子どもたちのために正しい決定を」は多くの保護者を混乱させ心配させている。
その本についての徹底的批判。長い


Dr. Searsがどんな人たちかは日本のアマゾンの書評欄でもなんとなくわかる
http://www.amazon.co.jp/product-reviews/0316778001/ref=cm_cr_dp_all_summary?ie=UTF8&showViewpoints=1&sortBy=bySubmissionDateDescending

  • 新しい化学物質規制の波がすぐそこに?

Science 7 August 2009:
Vol. 325. no. 5941, pp. 692 693
A New Wave of Chemical Regulations Just Ahead?
Robert F. Service
米国の有害化合物規制法は総点検が必要な時期に来ていて、科学工業界が次期計画に主要な役割を果たすことを望んでいる
1976年に有害物質規制法The Toxic Substances Control Act (TSCA)が成立し、この法によりPCBなどが規制されてきた。しかし1989年にEPAが肺がんと関連する分解されない超細繊維を禁止しようとしたがTSCAは最も負荷の少ない規制法を用いて規制することを要請しEPAが議会にアスベスト禁止が最も負荷の少ない規制法であることを確信させられなかったために1991年にアスベスト禁止が議会により破棄された。その後18年間、EPAはたった一つの化合物すら使用禁止にできないでいる。
TSCAの改正が必要であることは概ね合意されているがどのようなものが望ましいのかについては議論が多く、現時点でのオバマ政権の立場も不明である。

  • 化学物質のより良いリスク評価

pp. 694 695
Putting Chemicals on a Path To Better Risk Assessment
Erik Stokstad
高価で時間のかかる複雑な動物実験に代わる新しい技術に期待
マイクロアレイなどの技術に期待が寄せられるが未だ道は遠い