食品安全情報blog過去記事

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より健康的な油脂を選ぶ

Choosing healthier fats and oils
1 September 2009
http://www.foodstandards.gov.au/newsroom/factsheets/factsheets2009/choosinghealthierfat4441.cfm
脂肪は栄養成分表示には飽和脂肪と総脂肪(トランス脂肪酸・多価不飽和脂肪及び単価不飽和脂肪を含む)として記載されている。食品に存在する脂肪は通常各種タイプの混合物で、食品により多い脂肪の種類が異なる。栄養表示やその他の脂肪関連健康強調表示を理解するために、食品中にある様々な種類の脂肪とその食生活での役割を理解する必要がある。

飽和脂肪
飽和脂肪はバターや乳製品、脂肪の多い肉、揚げた持ち帰り食品及びその他の加工食品に多い種類の脂肪である。食事中の必須成分ではなく、冠動脈心疾患 のリスク要因である悪玉コレステロール(LDL)を増加させる傾向がある。
オーストラリアニュージーランド食品栄養ガイドラインの一部として、総脂肪摂取量を適切なものにし、飽和脂肪摂取量を制限することを薦めている。
ほとんどの植物油は飽和脂肪は多くはないがパーム油とココナツ油が例外である。

単価/多価不飽和脂肪酸
単価不飽和脂肪酸は血中コレステロール濃度を下げるのに有用である。単価不飽和脂肪酸が多いのはオリーブ油、キャノーラ油、マカダミア油、アボカド、ナッツ、「単価不飽和」と表示のあるマーガリンアドである。
多価不飽和脂肪酸は必須栄養素である。二つの重要なタイプとしてオメガ6脂肪酸とオメガ3脂肪酸がある。オメガ6脂肪酸の良い摂取源としてはヒマワリ油、紅花油、大豆油、ごま油、多価不飽和マーガリンなどがある。オメガ3脂肪酸が多いのはキャノーラ油、マーガリン、魚及びシーフードである。

トランス脂肪酸
トランス脂肪酸はチーズやミルク、バター、肉などのある種の動物食品に天然に存在し、植物油を固形化するための水素添加でも生じる。トランス脂肪酸の多い食品は悪玉であるLDLコレステロールを増加させるだけではなく善玉であるHDLコレステロールを減少させることが示されている。FSANZは心臓財団や栄養士協会、食品業界と協力してオーストラリアとニュージーランドの食品中トランス脂肪酸の削減に取り組んでいる。
トランス脂肪酸は、「コレステロールを含まない」「飽和脂肪が少ない」「多価不飽和脂肪が多い」などの脂肪に関する強調表示をする場合には栄養成分表に表示しなければならない。

コレステロール
コレステロールは内蔵や肉や乳製品、卵の黄身、腎臓などの動物食品中に存在するが植物由来の油脂中にはない。食品中のコレステロールは、特に心疾患発症リスクの高い人の血中コレステロール濃度を上げる。しかしながらコレステロールによる血中コレステロール濃度の増加は飽和脂肪やトランス脂肪ほど大きくはない。血中コレステロール濃度を下げるには飽和脂肪を多価又は単価不飽和脂肪に代えるのが有効である。
食品の「コレステロールを含まない」という表示は脂肪を含まないという意味ではない。コレステロールを含まなくても脂肪の多い食品は、油やアボカドやマーガリンなどたくさんある。

トランス及び飽和脂肪摂取量を減らすにはどうすればよいか?
一般的に我々のトランス脂肪摂取量はWHOの推奨する1日の総摂取エネルギーの1%未満であるが、飽和脂肪はオーストラリアとニュージーランドの推奨摂取レベルである8-10%を大きく上回って14%になっている。
我々は飽和脂肪摂取量を減らす必要がある。総脂肪と飽和脂肪については既に食品の栄養成分表に表示してある。
健康的な食生活ガイドラインに従えば脂肪の摂取量は減らせる:すなわち、栄養成分表示をチェックして総脂肪の少ない食品を選び、揚げものや脂肪分の多い乳製品や肉・パイ・パテを減らすことによって全ての脂肪の摂取量を減らしトランス脂肪と飽和脂肪の摂取量を制限することができる。
油脂の表示
「植物油で調理した」などのような混乱のもとになる強調表示には注意すること。例えばビスケットやファストフードに使われているパーム油は植物性でコレステロールは含まないが約50%が飽和脂肪である。