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残留動物用医薬品委員会年次報告書発表

Veterinary Residues Committee annual report published
Tuesday 8 September 2009
http://www.food.gov.uk/news/newsarchive/2009/sep/vetresidues
残留動物用医薬品委員会(VRC)が2008年の英国食品中残留動物用医薬品サーベイランスの報告書を発表した。
特に興味深かった結果は
・ 魚や甲殻類の残留動物用医薬品に関してRASFFに通知される件数が12%減った。理由の一つとしていくつかの国で効果的対策がとられたことが挙げられる。
・ VRCはチキンナゲットやチキンバーガー等の輸入家禽製品のクロラムフ ェニコール、コクシジウム抑制剤、ニトロイミダゾール、ニトロフラン調査を行っている。これらの薬物はEUでは使用が禁止又は制限されているものである。調査の結果これらの物質が家禽製品の生産に使用されているという証拠は見つからなかったことを歓迎する。


VRCのプレスリリース
PUBLICATION OF 2008 ANNUAL REPORT OF THE VETERINARY RESIDUES COMMITTEE
http://www.vet-residues-committee.gov.uk/News/News_Release_Sept09.pdf
報告書本文
Annual Report on Surveillance for Veterinary Residues in Food in the UK 2008
http://www.vet-residues-committee.gov.uk/Reports/vrcar2008.pdf
2008年は37,971検体を集め41,432の分析を行った。規制値を超えるものは184件だった。そのうち77件が動物用医薬品の使用によるとみられるもので、そのうち4件が健康上の懸念となりうるものだった。
2007年より違反の数が増えたがこれは新たに導入された複数残留検査法によるものである。違反が多かったのは家禽レバーのナイカルバジンで、2007年より違反率が増加している。他に羊の尿のノルテストステロンと牛の尿のボルデノンとゼラノールの違反が若干増加している。
基準値を超えた場合はフォローアップ調査が行われ農家に改善を助言している。
全体的には英国で承認されている動物用医薬品の使用はヒト健康上の懸念とはならない。
ヒト健康上の懸念となる可能性があるとされた事例は以下。
・ 牛血漿41検体中1検体からフェニルブタゾンが0.13 microg/L検出された
・ ウマ腎臓26検体中2検体からフェニルブタゾンが30及び130microg/kg検出された
・ ウマ血漿30検体中1検体からフェニルブタゾンが5 microg/L検出された
フェニルブタゾンは食用動物には使用してはならない。食用ではないウマとイヌの治療用に使用できる。