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閉経期のナチュラルヘルス製品の安全な使用

It’s Your Health
The Safe Use of Natural Health Products During Menopause
2009-09-02
http://www.hc-sc.gc.ca/hl-vs/iyh-vsv/med/menopause-eng.php
多くの女性が閉経期症状緩和のための方法を探す。ホルモン補充療法が標準的で有効な治療法であるが、多くの女性がナチュラルヘルス製品(NHP)を使用している。しかしながら、他の多くの保健用製品と同様NHPにはしばしば有害作用がみられるので注意深く使用すべきである。
背景
閉経は女性の性周期の終わりと定義される。閉経は女性の人生にとって自然なことで、病気によらず生理が無くなってから12ヶ月後も続く。閉経への移行は4段階以上からなる複雑なプロセスである。
1. 閉経前期(生殖期)
2. 閉経周縁期(閉経直前の移行期)
3. 閉経(最後の生理)
4. 閉経後期(最後の生理が終わった後)
閉経期の古典的症状は閉経周縁期終わり頃から閉経移行期全体でおこり、ホットフラッシュ、夜の発汗、気分の変調、睡眠障害などがある。生理がないことや各種症状が閉経と関連するかどうかは医療従事者に相談するべきである。
閉経期症状用ナチュラルヘルス製品
女性が閉経期症状緩和のために使用している全てのNHPがヘルスカナダの承認を受けているわけではない。ブラックコホシュのような一部のNHP成分は閉経期症状緩和用NHPとしてヘルスカナダが認可した薬用成分である。バレリアン、ホップ、セントジョンズワートレモンバーム等を含む製品は不眠や神経症緩和目的でヘルスカナダが認可したものである。これらの症状は閉経期を含む多様な病態に関連し得る。
上述のものに加えて当帰やニンジンや月見草油などが閉経期に使用されている。これらの成分は認可された製品に含まれることもあれば認可されていない製品に使用されていることもある。ヘルスカナダの認可したNHPにはNPN、DIN-HM又はDIN番号が表示されている。NHPの認可状況や使用条件を確認したい場合にはヘルスカナダの認可ナチュラルヘルス製品データベースを参照するように。
閉経期向けナチュラルヘルス製品の副作用
閉経期症状に使用されているNHPの安全性と有効性に関するヒト試験データは限られている。多くの人がNHPはナチュラルだから安全だと考えている。しかしながらNHPには重大な副作用があり得る。ナチュラルだろうと合成だろうと人体に影響するあらゆる化合物は健康リスクがある。つまり、あなたは閉経期用NHPを注意して使わなければならない。有害事象の例としては以下のようなものがある。
・ ブラックコホシュとバレリアンによる肝障害の報告がある
セントジョンズワートのようなNHPは他の医薬品との相互作用により有害反応リスクを増やす
・ 睡眠補助や神経過敏を和らげるためのレモンバームやホップやバレリアンは運転中や重機の操作中に使用してはならない。
・ NHPを含む多くの製品の副作用としてよく見られるのは吐き気、嘔吐、頭痛、疲労感、下痢である
このようなことがあるためNHPやサプリメントの使用については、他の医薬品同様、医師に相談すべきである。
リスクを最小化する
有害反応のリスクを減らし適切な製品を選ぶためには以下のような手順を踏むといい
・ あなたの症状と治療のメリットとリスクについて、医師や薬剤師のような専門家と十分話し合う
・ 製品の使用法は良く読む。NPN、DIN-HM又はDIN番号を確認する。
・ 他の製品との相互作用や副作用に注意し、有害反応があったら専門家に報告する。
・ 症状が良くならない・悪化する場合には医師に相談する
(注・カナダのナチュラルヘルス製品の認可は、とにかく安全性だけは確保したいという制度)