食品安全情報blog過去記事

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長官のコラム:餅は餅屋

CE’s column: Horses for courses
September 2009
http://www.nzfsa.govt.nz/publications/ce-column/ce-column-8.htm
ニュージーランドのテレビ番組で犬猫用の馬肉をヒトの食用として売っていた業者が告発されていた。ペットフードをヒト食用に販売することは認められていない。その理由はペットフードに規制がないからではない。ペットフードにはペットフードの規制がある。
ヒト用食品もペットフードも、登録されたリスク管理計画により管理されている。これらの計画は製品の消費者へのリスクやハザードに対応するよう作られている。ヒト用食品とペットフードは同じではない。製品の目的に重大な違いがある。
イヌやネコは肉食動物でありヒトとは要求される栄養が異なり寿命も違う。イヌやネコは与えられた餌を食べるだけではなくゴミあさりもするので、ヒトが食べたら病気になるような有害微生物にも耐えられる。食中毒への感受性はヒトの方が高いので衛生基準はヒト用食品の方が厳しい。ヒト用食肉処理場でペットフードが作られることもあるが、そのような場合は通常ヒト用にはならない部分をペット用にしていて、一旦ペット用に分類されたらそれはヒト用とは厳密に区別されなければならない。
ヒト用食肉は厳密に検査されているので製品の値段が必然的に高くなる。もしあまりにも安い肉を売っていたらその理由を尋ねてみるのが良いだろう。テレビで取り上げられていた種類のウマの肉は6kg 20ドルくらいであるが、問題とされていた店では7kgを10ドルで販売していた。