食品安全情報blog過去記事

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その他論文やニュース

  • カリフォルニアのBPA禁止法案は議会を通過しなかった

PLASTICS NEWS
California effort to ban BPA fails
September 14, 2009
http://www.plasticsnews.com/headlines2.html?id=16601

Lan T Ho-Phamet al.
Effect of vegetarian diets on bone mineral density: a Bayesian meta-analysis
Am. J. Clinical Nutrition, Oct 2009; 90: 943 - 950.
ベジタリアン食、特に厳格菜食主義ビーガンは骨密度の低さと関連する。ただしその程度は臨床上有意ではない。

  • オタワ市場で販売されている野菜や果物を介したカナダ人の過塩素酸塩暴露量推定

Estimated Dietary Exposure of Canadians to Perchlorate through the Consumption of Fruits and Vegetables Available in Ottawa Markets
Zhongwen Wang et al.
J. Agric. Food Chem., Article ASAP
DOI: 10.1021/jf901910x
比較的濃度が高いのはレタス、ホウレンソウ、メロン、ブドウで平均それぞれ11.5、133、56.1、27.7 g/kg。濃度は産地による。
推定暴露量は1-4才で36.6 、5-11才で 41.1 ng/kg bw/day

Position of the American Dietetic Association: The impact of fluoride on health.
Journal of the American Dietetic Association 105:1620-1628, 2009
http://www.eatright.org/ada/files/Fluoridenp.pdf
適切なフッ素の使用は歯の健康のために有用であることを強く主張。明確な公衆衛生上のメリットがあるにも関わらず、水道水へのフッ素添加が米国の1/3で未実施であることを残念がっている。

  • 膵がんの膵蛋白分解酵素療法とゲムシタビンベースの化学療法の比較

Pancreatic Proteolytic Enzyme Therapy Compared With Gemcitabine-Based Chemotherapy for the Treatment of Pancreatic Cancer.
Chabot JA et al.
J Clin Oncol. 2009 Aug 17
いわゆるゴンザレス療法と呼ばれる代替療法と標準的化学療法を比較した試験。標準化学療法の生存期間が14.0ヶ月だったのに対してゴンザレス療法は4.3ヶ月と3倍も違った。QOLも化学療法の方が良かった。患者は55人でゴンザレス療法を選んだのは32人。
(ゴンザレス療法は膵酵素と各種サプリメント(何と最大150個!)、毎日コーヒー浣腸という驚くべき食事療法。がんの酵素セラピーとも。よくこんな試験が認められたものだと思う)
この結果についてNicholas Gonzalez医師が試験のデザインが悪い等と反論し、Science blogで激しく批判されている
Nicholas Gonzalez' response to the failed trial of the Gonzalez protocol: Disingenuous nonsense
http://scienceblogs.com/insolence/2009/09/nicholas_gonzalez_response_to_the_failed.php

  • コメント:葉酸添加すべきか?

Shall we put the world on folate?
The Lancet
Vol. 374 Number 9694, 19-25 September 2009
英国の葉酸添加計画に対して反対の意見。ハイリスクグループ(妊娠する可能性のある女性)に限って強化する方法の方がよいと。
(それができないから全体への添加を計画している。自己責任ではどうしてもこぼれ落ちる集団があって、それを公衆衛生で救おうと考える訳だけれど、集団と個人では最適解が違う場合があり得る。)