食品安全情報blog過去記事

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母親のがんが胎児に感染しうる

Science NOW
Mother's Cancer Can Infect Her Fetus
13 October 2009
http://sciencenow.sciencemag.org/cgi/content/full/2009/1013/1?etoc
Takeshi Isoda et al.
Immunologically silent cancer clone transmission from mother to offspring
Published online before print October 12, 2009, doi: 10.1073/pnas.0904658106
日本の症例。
2007年初め、28才の日本人女性が女の子を出産した。その36日後、膣出血で母親が入院、白血病と診断され間もなく死亡。赤ちゃんは11ヶ月まで普通に育ったが頬に巨大な腫瘍ができ、それが肉腫ではなく白血病性の腫瘍だった。そこで感染性のがんを研究している英国のMel Greavesとの協力で、この腫瘍が子宮内で母親から感染したものであることを強く示唆する結果を得た。子どものがん細胞は全て母親の細胞で、父親由来の遺伝子はなかった。このような事例は極めて珍しい。子どもの治療は成功し、生きている。