食品安全情報blog過去記事

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COTの2009年10月27日の議題とペーパー

COT agenda and papers: 27 October 2009
http://cot.food.gov.uk/cotmtgs/cotmeets/cot2009/cotmeet27oct2009/cotagendapapers27oct09
・本態性環境不寛容(IEI):毒性学的メカニズムの根拠
王立委員会の環境汚染物質報告書の農薬散布の際に傍にいる人への暴露についての結論にさらにレビューが必要である。
http://cot.food.gov.uk/pdfs/tox200933.pdf
IEIのメカニズムとして提示されているいくつかの案について妥当性を評価。ほとんど根拠がないというのが現状。そもそものIEIの診断基準も明確ではない。
精神的側面についてはCOTは検討しない。
*IEIは化学物質過敏症(MCS)のこと。MCSの人はこの呼び名で呼ばれるのが嫌い。

・食品中メチルグリオキサール
http://cot.food.gov.uk/pdfs/tox200934.pdf
メチルグリオキサール(MG)は解糖生成物で、DNAや蛋白質に付加体を形成することが知られている。MG付加体の増加は加齢や腎疾患、アルツハイマー、がんなどに関連する。生きている細胞に普遍的に存在するので食品中にも存在する。全ての食品に存在するが、特にマヌカハチミツ(38 829mg/kg)と一部のソフトドリンクに量が多い。遺伝毒性がある。(他の食品だとパン0.79、コーヒー7、ワイン0.65-2.88など)
食事からの暴露量は平均で1.3 mg/kg/日、97.5パーセンタイルで3.9 mg/kg/日と推定される。
リスク評価のためにはまず動態解明が最優先で、次に90日試験とin vivoでの遺伝毒性試験が必要である。