食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

イングランドとウェールズでの、1989年から2008年までのダウン症候群での出産と出生前診断の傾向:全国ダウン症候群細胞遺伝学登録データの解析

Trends in Down’s syndrome live births and antenatal diagnoses in England and Wales from 1989 to 2008: analysis of data from the National Down Syndrome Cytogenetic Register
Joan K Morris, Eva Alberman
BMJ 2009;339:b3794
http://www.bmj.com/cgi/content/full/339/oct26_3/b3794
出生前診断による中絶が増えたため、ダウン症と診断される件数が1989/90年の1075件から2007/8年の1843件と71%増加しているが、ダウン症で生まれてくる子どもの数は752から743人に減った。スクリーニングが行われていなかったら、高齢出産の増加によりダウン症の子どもの数は増えていたはずである。出生前診断を受ける母親は高齢出産の場合は安定して高いが、若齢出産でも増加している。
(よく知られていることではあるが図2を見るとあらためてきれいな相関に感嘆する
http://www.bmj.com/cgi/content/full/339/oct26_3/b3794/FIG2
高齢出産でダウン症だけが増えるはずもなく、当然他の微細な遺伝子の欠損も増えているはずで、環境汚染物質などよりはるかに大きな影響があるのは明白なんだけど。)


おまけ
父親が高齢だと子どもの精巣がんリスクが増加する理由
Activating mutations in FGFR3 and HRAS reveal a shared genetic origin for congenital disorders and testicular tumors
Nature Genetics
Published online: 25 October 2009 | doi:10.1038/ng.470
http://www.nature.com/ng/journal/vaop/ncurrent/full/ng.470.html