食品安全情報blog過去記事

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EFSAは6つの食用色素の安全性助言を更新

EFSA updates safety advice on six food colours
12 November 2009
http://www.efsa.europa.eu/EFSA/efsa_locale-1178620753812_1211903038267.htm
全ての利用できる情報をレビューして、EFSAのANSパネルはキノリンイエロー(E104)、サンセットイエロー FCF (E110) 及び ポンソー 4R (E124)のADIを引き下げた。その結果成人と子どもの両方でこれらの色素への暴露量が新しいADIを超過すると結論した。
またタートラジン (E102)、アゾルビン/Carmoisine (E122)及び アルラレッドAC (E129)については既存のADIを変更する必要はない。
これら再評価された6つの色素は、ソフトドリンクや焼き菓子やデザートなどの食品に使うことができる。タートラジンについては一部の人に皮膚のかゆみなどの不耐反応が出る可能性があるが、残り5つの色素については入手できる限られた科学的根拠から不耐反応と関連するという確実な結論は出せない。
EFSAは現在食用色素から始めて全ての食品添加物の安全性について評価している。欧州委員会が、いわゆる「サウサンプトン研究」と呼ばれる子どもの多動と安息香酸とこれらの色素の混合物とを関連づけた研究が発表されたため、この6つの色素を優先的に評価するよう依頼した。
6つの色素のうち3つのADIを引き下げたが、それぞれ理由は異なる。サウサンプトン研究を含めた現在入手できるデータから、個々の色素と行動への影響に因果関係を立証することはできない。

  • FAQ

http://www.efsa.europa.eu/EFSA/efsa_locale-1178620753812_1211903039304.htm
サウサンプトン研究は子どもの行動への影響を立証したものではないことを強調。

  • アルラレッド AC (E 129)の再評価

Scientific Opinion on the re-evaluation of Allura Red AC (E 129) as a
food additive
12 November 2009
http://www.efsa.europa.eu/EFSA/efsa_locale-1178620753812_1211903028542.htm
サウサンプトン研究(McCann et al.)を考慮しても現行のADI 7 mg/kg体重/日を変更する理由はない。
ヨーロッパにおける推定摂取量は概ねADI以下であるが、1-10才の子どもの95パーセンタイル摂取量が1.2-8.5 mg/kgなので上限付近で若干高い。

  • ポンソー 4R (E 124) の再評価

Scientific Opinion on the re-evaluation of Ponceau 4R (E 124) as a food additive
12 November 2009
http://www.efsa.europa.eu/EFSA/efsa_locale-1178620753812_1211903028554.htm
ポンソー 4Rはアゾ色素であり、1983年にJECFAが、1984年にSCFが評価してADIを0-4 mg/kg体重/日と設定している。発がん性はない。行動への影響は改定の根拠にはならない。
これまで報告されている最小のNOAELはマウスの長期試験における糸球体腎症の70 mg/kg bw/day(0.25%がLOAEL、0.05%がNOAEL)で、これに不確実係数100を用いてADI 0.7 mg/kg体重/日を導出した。
最大使用量で推定した摂取量はADIを超過する。

  • キノリンイエロー (E 104)の再評価

Scientific Opinion on the re-evaluation of Quinoline Yellow (E 104) as a food additive
12 November 2009
http://www.efsa.europa.eu/EFSA/efsa_locale-1178620753812_1211903028587.htm
キノリンイエローはJECFAが1975、1978、1984年に、SCFが1984年に評価しADIを0-10 mg/kg体重/日と設定している。
McCann et al.らの行動への影響は改定の根拠にはならない。JECFAやSCFが考慮しなかった長期毒性試験の生殖毒性フェーズにおける生まれた子どもの生存率と授乳期の体重増加抑制を指標に250 mg/kg体重/日をLOAEL、50 mg/kg体重/日をNOAELとして採用し、不確実係数100を用いてADIは0.5 mg/kg体重/日とした。
最大使用量で推定した摂取量は新しいADIを超過する。

  • サンセットイエローFCF (E 110)の再評価

Scientific Opinion on the re-evaluation of Sunset Yellow FCF (E 110) as a food additive
12 November 2009
http://www.efsa.europa.eu/EFSA/efsa_locale-1178620753812_1211903029580.htm
サンセットイエローFCFはアゾ色素でJECFAが1982年に、SCFが1984年に評価してADI 0-2.5 mg/kg体重/日と設定している。
発がん性はない。McCann et al.の行動への影響は改定の根拠にはならない。
先のJECFAとSCFの評価の後にいくつかの毒性試験の結果が報告されており、LOAELが250 mg/kg体重/日と報告されている。この値は先の評価に使われたNOAEL 500 mg/kg体重/日より低いが、新しい試験で使われたサンセットイエローがインドで売られていたもので物質の詳細な性状が不明である。そのような情報も合わせて考慮して、余分な不確実係数2.5を追加して1 mg/kg体重/日とし、2年間の暫定ADIとした。その間にOECD 407ガイドラインに従った28日間試験の結果が提供されるであろう。
最大使用量で推定した摂取量は概ね暫定ADI以下であるが、一部の高摂取群では暫定ADIを超過する。

  • タートラジン (E 102)の再評価

Scientific Opinion on the re-evaluation Tartrazine (E 102)
12 November 2009
http://www.efsa.europa.eu/EFSA/efsa_locale-1178620753812_1211903029941.htm
タートラジンはアゾ色素でJECFAが1966年に、SCFが1975年と1984年に評価しADIを7.5 mg/kg体重/日と設定している。
現在入手できるデータからはADIを改定する理由はない
最大使用量で推定した摂取量はADI以下である。

  • ゾルビン/Carmoisine (E 122)の再評価

Scientific Opinion on the re-evaluation of Azorubine/Carmoisine (E
122) as a food additive
12 November 2009
http://www.efsa.europa.eu/EFSA/efsa_locale-1178620753812_1211903029954.htm
ゾルビンはアゾ色素でJECFAが1983年に、SCFが1984年に評価しADIを0-4mg/kg体重/日と設定している。
現在入手できるデータからはADIを改定する理由はない。
最大使用量で推定した摂取量は概ねADI以下であるが、一部の高摂取群ではわずかにADIを超過する。