食品安全情報blog過去記事

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慢性疲労症候群についての尽きぬ議論

Science 15 January 2010:
Vol. 327. no. 5963, pp. 254 - 255
An Indefatigable Debate Over Chronic Fatigue Syndrome
慢性疲労症候群CFS)は原因も病原菌も見つかっておらず、真の病気かどうかについても疑われてきた。2009年10月に米国の研究者チームがCFS患者101人中2/3の血球中からXMRVのDNAを検出したと報告した。健康な人218人からは4%だった。XMRVは齧歯類のレトロウイルスでこれまで進行性の前立腺がんとの関連が主張されてきた。この件については関連は疑わしいという科学者もいて再現性がないという論文がPLos ONEに発表された。ラボでの汚染の可能性や類似ウイルスの干渉や、両方の結果が正しいという可能性、そしてCFSがもともと症状が同じでも原因の違ういろいろな病気であるなど議論が巻き起こっている。さらに困惑している医師や患者とXMRV検査を提供している企業など事態は混乱している。