食品安全情報blog過去記事

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その他ニュース

  • 「ドクター」Robert Youngの理論と資格の批判的考察

Quackwatch
A Critical Look at "Dr." Robert Young's Theories and Credentials
Stephen Barrett, M.D.
February 24, 2010
http://www.quackwatch.org/11Ind/young3.html
妻と共著で血液をアルカリ性にすれば各種病気が治るしダイエットにも成功するといった内容のThe pH Miracleという本を書いている自称博士のRobert Young氏について、経歴が疑わしいこと、理論がインチキであることを指摘。
赤血球から全ての細胞が発生するとか、酸性になると赤血球からがんができたり細菌からカビが発生したりするとか、野菜とサプリメントで血液をアルカリ性にするとそういうことがおこらないとかいう主張。

  • GuardianのBad Scienceのホメオパシーに関する記事に対しMHRAの長官から意見

ホメオパスは我々の権限外
Homeopaths are outside our remit
Monday 1 March 2010
http://www.guardian.co.uk/lifeandstyle/2010/mar/01/homeopaths-are-outside-our-remit
過去1年間にホメオパシーを使ったことのある人は約10人に1人で、多くの場合は軽い限定的な症状にのみ使っている。従ってホメオパスホメオパシー商品と認識している内容のもので(有害物質を含まないなどの)品質基準を満たしていて表示が軽い症状以外については言及していない場合には健康リスクは比較的小さい。
ホメオパシーによる最大の脅威は、重大な病気の予防や治療用に宣伝されていることがあるということである。最近我々はがんやマラリアに効くとして宣伝されていたホメオパシー商品を市場から排除した。我々がホメオパシー製品を規制していないというのならそのような介入の力はないだろう。MHRAは議会に与えられた権限の中で運営している。これらは我々に、プラクティショナーの活動や患者の選択ではなく、製品の販売を規制することを許している。


Benの元の記事
ホメオパシーに効果はない。でも他の医薬品の効能はそれより良いのか?
Homeopathy doesn't work. But are the claims for other medicines any better?
Ben Goldacre
http://www.guardian.co.uk/science/2010/feb/26/bad-science-homeopathy-trials-drugs
科学技術委員会の報告書が今週発表されて、愚かなメディアの「両論併記」報道で、ホメオパシーについての話にはうんざりしたであろう。私もうんざりしているが、これは医学におけるより幅広い惨劇をのぞき見る窓なのだ。ホメオパシープラセボでしかない、しかしそのでたらめな主張が多くの医師やメディアで広められMHRAですら根拠無く治療に使える様な表示を許しているのだ。これはホメオパシーだけの話ではなく、医師や政治家やメディアや規制機関が医学におけるエビデンスをどう扱っているかという問題なのだ。
以下医学雑誌の医薬品の宣伝についての記事(これが結構誇張があったり根拠があいまいだったりする。)
ホメオパシーは氷山の一角でしかない。

(MHRAは代替医療の扱いについて、健康被害を減らすべく危険でないことだけは確保しようと試みている。しかしそれでは騙される人が減ることはあまり見込めないので、根拠のあるもののみ認可すべきだという意見もある。
カナダも豪州も似たようなもので、代替医療については世界中の規制機関が伝統や世間からの強い要望と科学的根拠との板挟みに苦しんでいて、効果はなくてもせめて無害なものに限定しようというのが落としどころになっている。
実はホメオパシーは中身がないのでモノとしてはむしろ安全だし簡単で、漢方薬やハーブのほうが対応が難しい。)