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イタリアの分子調理「禁止」に非難

Natureニュース
Italian molecular cookery 'ban' condemned
16 March 2010
Emiliano Feresin
http://www.nature.com/news/2010/100316/full/news.2010.125.html
イタリアのレストランでの食品添加物使用規制はレストランのテーブルによりたくさんの加工食品をおくことになる
たくさんの食品添加物をレストランで使用することを禁止するイタリアの法令は非科学的で理不尽である、とNatureの接触した食品科学者は言う。
この法令は伝統的成分を使うことを促進している「スローフード」支持者たちからすら支持されていない。レストランに、使用制限のない加工食品を提供することを強いることになるだろうと考える人もいる。
この法令はイタリアの保健次官Francesca Martiniが提出したもので2月18日に発効した。現在EUでADIが設定されている全ての食品添加物(甘味料を除く)の使用や貯蔵さえ禁止している。さらにレストランは顧客に対しレシピに使用している全ての添加物を明示しなければならない。更新されない限りこの法令は年末まで有効である。
Martiniの決定はイタリアの有名なテレビ番組に刺激されたためのようだ。その番組ではイタリアの伝統料理を保存し、近頃流行の新しい技術を用いた分子調理を非難している。テレビのインタビューに答えてMartiniはアイスクリームの迅速調整に使われる液体窒素を含む全ての調理用化学物質を禁止すると述べている。
しかしこの法令は分子調理だけではなく中華料理や伝統的イタリア料理にすらダメージを与える。この法令を支持する科学的根拠はない。(パイを作るためのふくらし粉も禁止。しかし工場での使用は禁止されていないので工場で作られたものを使うことになる)
情報開示にしてもメニューに数十行の化合物名とコード番号が並ぶのは美しくない。