食品安全情報blog過去記事

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トランス脂肪が子宮内膜症リスク増加と関連しオメガ3の多い食品が低いリスクと関連する

Trans fats linked to increased endometriosis risk and omega-3-rich food linked to lower risk
23-Mar-2010
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2010-03/esoh-tfl032210.php
70709人の米国人看護士を12年間フォローした研究からの知見。
子宮内膜症と診断されたのは1199例で総脂肪摂取量は関係なかった。長鎖オメガ3脂肪酸摂取量が最も多い1/5(エネルギー摂取量の0.8%)の子宮内膜症リスクは最も少ない1/5より22%少なく、トランス脂肪の多い1/5(エネルギー摂取量の2.3%)は48%リスクが高かった。
A prospective study of dietary fat consumption and endometriosis risk. Human Reproduction journal. doi:10.1093/humrep/deq044
http://humrep.oxfordjournals.org/cgi/content/full/deq044
ちなみにトランス脂肪の摂取量は低い方からエネルギーの0.9%、1.3、1.5、1.8、2.3で5分割。
脂肪の割合は総エネルギーの24.4、28.7、31.6、34.5、38.7%。
各群14000人ほど


ついでに朝日の記事
トランス脂肪酸、女性は過摂取 お菓子の食べすぎ原因?
2010年3月23日
http://www.asahi.com/national/update/0323/TKY201003230219.html
ヘンな記事だなと思って
もと論文
http://www.jstage.jst.go.jp/article/jea/20/2/119/_pdf
この論文のディスカッションには同意しない。佐々木先生のコメント「トランス脂肪酸だけをなくそうとするより、食生活全体の見直しを考えた方がいい」には同意。
もともと日本人女性は心血管系疾患罹患率が世界でも最も少ない集団だし、日本人だけでも男性のほうが心血管系疾患は多い。なのでこのデータからは日本人においてトランス脂肪酸は心血管系疾患リスクの要因としてあまり重要ではないということが言える。
日本人女性の総摂取カロリーが1800程度なので1%云々は意味がなさそう。脂肪由来のエネルギーが30%未満なんて欧米人から見たら驚異的。トランス脂肪酸の心血管系リスクに関するデータは日本のものではないので総脂肪摂取量が少なければトランス脂肪酸のリスクも変わるかもしれない。
↑の論文と比べてどうだろう?
ちなみにお菓子の寄与率女性21.7プラスマイナス19.7%と男性15.3プラスマイナス25%で女性だけ食べ過ぎで男はそうでないと言える?差はないよね?