食品安全情報blog過去記事

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野菜や果物のがん予防効果は最大でもわずか

The cancer protective effect of fruits and vegetables may be modest at best
6-Apr-2010
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2010-04/jotn-tcp040210.php
40万人以上の男女の食事データを解析したところ、野菜や果物をたくさん摂ることと全体的がんリスクの削減との相関は弱いことがJNCIに4月6日オンライン発表された。
野菜や果物の多い食生活ががんリスクを下げることは広く信じられている。しかし野菜や果物の摂取量とがんリスクの決定的関連については確認されていない。
1992年から2000年に参加した男性142605人と女性335873人を平均8.7年フォローしたEPIC研究のデータを解析した。この間に3万人以上ががんと診断された。
野菜や果物をたくさん摂ることと全体的がんのリスク削減には小さな逆相関が認められた。野菜では弱い利益が女性でのみ認められた。野菜や果物をたくさん摂るヘビードリンカーの場合若干のリスク削減がみられたが、喫煙と飲酒により誘発されるがんに限定される。
著者らは食品にがん予防効果を期待するのは注意した方がよいとしている。
Fruit and Vegetable Intake and Overall Cancer Risk in the European Prospective Investigation Into Cancer and Nutrition (EPIC)
Journal of the National Cancer Institute Advance Access published on April 6, 2010.
doi:10.1093/jnci/djq072
http://jnci.oxfordjournals.org/cgi/content/abstract/djq072v1
(それほど意外ではない。これまでもがんについては野菜や果物を極端に食べない集団が有意差を出していて、多く食べる方がよいというデータはなかった。)