食品安全情報blog過去記事

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新規食品成分としての「共役リノール酸に富む油」(Tonalin® TG 80)の安全性に関する科学的意見

Scientific Opinion on the safety of "conjugated linoleic acid (CLA)-rich oil" (Tonalin® TG 80) as a Novel Food ingredient
21 May 2010
http://www.efsa.europa.eu/en/scdocs/scdoc/1600.htm
Tonalin® TG 80は、c9,t11: t10,c12の2つの共役リノール酸(CLA)異性体を1:1の存在比で約80%含む食品である。サフラワー油のエタノールとのトランスエステル化で脂肪酸エチルエステルを作り、アルカリ条件下で共役させtエチルエステルを加水分解し蒸留によりCLAを分離し、リパーゼによりグリセロールと再エステル化したものである。成人用の乳やヨーグルト製品の成分として使用することを意図している。
ヨーロッパにおける天然CLAの摂取量は0.3g/日と推定されている。従って3.5gの追加摂取で11.7倍に摂取量が増えることになる。また天然のCLAは90%以上がc9,t11異性体であるため、t10,c12については58倍になる。
申請者は動物でのデータを提出しているが、安全性評価については主にヒトデータを対象にした。提出されたデータは長期(6ヶ月以上)の安全性の根拠とはならない。2型糖尿病患者での安全性は確立されていない。