食品安全情報blog過去記事

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「命を救うために直ちに脂肪と塩を削減」−英国監視機関

Science Media Center
‘Cut fat and salt now to save lives’ – UK watchdog
June 24th, 2010.
http://www.sciencemediacentre.co.nz/2010/06/24/cut-fat-and-salt-now-to-save-lives-uk-watchdog/
英国の保健監視機関NICEの発表した報告書は政府や企業に毎年数千人の命を救うために加工食品の脂肪と塩を削減するよう要求した。この報告書は心血管系疾患への貧しい食生活の影響と戦うための公衆衛生政策を助言している。
SMCはNICEの報告書への各専門家の意見を集めた。
「肥満流行と戦うFight the Obesity Epidemic」団体のスポークスマン Robyn Toomath
この報告書はとても重要で食生活の改善には個人の努力よりもそうせざるを得ない環境を作ることの重要性を指摘したものである。
心臓協会の栄養アドバイザーDelvina Gorton
NICEの助言の一部は我々も支持する。英国政府の健康的な選択をするのは個人の責任であるという反応も正しいがそれを可能にする環境を作る必要もある。
登録栄養士Amy Liu
これらの政策を履行するための費用は肥満による治療費の削減でおつりが来るだろう
登録栄養士Louise Bee
NICEの助言のような環境変化により多くの人がより健康的になるだろうが実施には多くの時間と費用と努力が必要だろう。そして個人の選択権も奪われるだろう。結局のところ何が一番大切なのだろうか?健康?便利さ?個人の責任?
他に英国心臓協会や欧州心臓病学会がNICEの報告書を支持することを表明している
欧州心臓病学会のプレスリリース
"NICE" population approach, a model for European cardiovascular prevention?
22 Jun 2010
http://www.escardio.org/about/press/press-releases/pr-10/Pages/UK-NICE-population-approach.aspx
(注目は飽和脂肪については総エネルギーの14%から7%に削減することを目標にしているが、7%というのは日本と同様のレベルと記載されていること。
ただし第一の重点項目である塩1日3gは日本人にとっては到達不可能にすら見える目標値。
個人の選択権を奪うことについて結構好意的なのが意外。選択肢はむしろたくさんあるのに肥満が比較的少ないアジアが例外なんだろうか?NICEでは禁止すべきとされるお菓子やお酒のおつまみ類の種類の豊富さだったら日本は世界一なのでは。)