食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

買い物したときのレシートで性的不能になる?テレグラフの6月30日の記事

Sense about science
Can shopping receipts make you impotent? The Telegraph, 30th June 2010
July 13 2010
http://www.senseaboutscience.org.uk/index.php/site/other/515
この記事は研究者がいかにしてレシートのインクに含まれるビスフェノールAを体内の男性ホルモンの抑制に関連づけたかを説明している。この記事は引用文献は示さず、泌尿器科教授Frank Sommerの「BPAのような物質は男性の性ホルモンのバランスを崩す。長期的にはその結果性的衝動が抑制され、筋肉の代わりに腹が出て勃起に悪影響を与える」という言葉を引用している。
Richard Sharpe教授によれば現時点でBPAにより性的不能になるという根拠はない。
テレグラフへの文書において我々はこの記事についての懸念を表明した
「私たちは買い物をするとレシートに含まれるBPAのせいで不能になるという記事を読んで驚いた。現時点でBPA不能の原因になるという根拠はない。レシートに男性のテストステロン濃度を抑制するのに十分な量のBPAが含まれているかのような記事だがそのようなデータを我々は知らない。一般人へのBPA暴露量は何ら有害影響がある量ではないということを全体的科学的根拠は示している」
またFDABPA排除を支持しているかのような書き方は誤解を招くものである。FDAは単にさらなる研究を要請しているだけである。ヨーロッパのFDA相当機関は現在のBPA暴露量は安全であると考えている。
(レシートに触っただけで不能になるという主張をしているとしたら、それは逆にBPAが有害だと主張している人達のおかしさを示すのでは)