食品安全情報blog過去記事

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ビスフェノールAとほ乳瓶:課題と展望

JRC
Bisphenol A and baby bottles: challenges and perspectives
22/07/10
http://ec.europa.eu/dgs/jrc/index.cfm?id=1410&obj_id=11190&dt_code=NWS&lang=en
JRCの健康消費者保護研究所(IHCP)による報告書。
世界中で行われた、実験ガイドラインとGLPに準拠した、経口投与での、多数の動物を使った広範な用量での試験ではBPAによる有害影響は50 mg/kg体重/日以上で観察されており、ヒトの推定暴露量は0.6-13 microg/kg体重/日であることから、リスク評価者やリスク管理者は安全性マージンは十分であると考えている。しかしながら少数の動物を用いた、経口でない投与経路を含み、用量範囲の少ないあるいは単一用量での、多くの研究で極めて微量での悪影響の報告が多数ある。そのような試験ではヒト健康影響への意味は解釈が難しいものの、BPAが有害であるという懸念を巻き起こした。
このような背景からIHCPはBPAの各種試験をレビューし報告した。BPAのヒト健康リスクに関する現在の不確実性の多くは、各種の実験方法の信頼性についての意見が大きく異なることによる。この不確実性を減らすためには大学の研究室と政府機関とが国際的に協力して独立した専門家の監視の元で試験を行うことで成功する可能性が高い。
一部の国では既にBPAが禁止され、任意の使用中止を進めている国もあるが、BPAを含まない代用品の安全性を評価することも重要である。
本文は以下
PDF 57ページ
http://publications.jrc.ec.europa.eu/repository/bitstream/111111111/14221/1/eur%2024389_bpa%20%20baby%20bottles_chall%20%20persp%20%282%29.pdf
(米国で進行中の計画はこの提言にほぼかなっている。)