食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

農薬のリスクとベネフィットに関する情報は消費者に届いていない

Information on the risks and benefits of pesticides does not reach consumers
28.07.2010
http://www.bfr.bund.de/cd/51752
BfRは食品中の農薬に関する知識についての研究を発表した
消費者は食品中の残留農薬についてほとんど知らない。消費者はこの問題についての関心は高いが十分に情報があるとは考えていない。
BfRの行った調査結果からは農薬に関する情報は消費者に届いていないことがわかる。回答者の約70%は食品には残留農薬は全く含まれてはいけないと考えていて、安全であれば食品中に微量の残留農薬が存在することは認められているということを知らない。
そのため例えMRL以下でも農薬が検出されれば法律違反だとみなし、メディアはしばしばこのような印象を強化する。
また86%は農薬が農家の生産性向上に寄与していることについては同意するが、一方で食品の生産に農薬が必要だという意見にはたった23%しか同意しない。そして54%はオーガニック栽培でも農薬が使われていることを知らない。
全体として回答者は情報不足だと考えているが関心は高い。情報源としては新聞、テレビ、インターネットを挙げ、公的機関や科学者などからの一次情報よりもこれらのメディアが重要である。
BfRはこの調査結果からリスクコミュニケーションに関して重要な課題が学べたと感じている。最初に消費者は農薬とその規制についてより明確に情報を伝えられるべきであること、次に残留農薬についてコミュニケーションを行う場合には農業と食糧生産の関係を強調すべきである。
調査報告書本文はドイツ語
http://www.bfr.bund.de/cm/238/pflanzenschutzmittel_rueckstaende_in_lebensmitteln.pdf
(実例が↓。グリーンピースの言い分をそのまま報道すること自体がコミュニケーションの阻害であるということをメディアは認識してない)

BVL
ベリー類は安全 BVLは残留農薬についてのグリーピースの結論に反論
28.07.2010
http://www.bvl.bund.de/DE/08__PresseInfothek/01__Presse__und__Hintergrundinformationen/01__PI__und__HGI/Rueckstaende/2010/2010__07__28__pi__pflanzenschutzmittelrueckstaende__strauchbeeren.html
ドイツ語
グリーンピースへの反論