食品安全情報blog過去記事

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その他ニュース

C & ENニュース
EPA Expands Ethanol Use
October 18, 2010
http://pubs.acs.org/cen/government/88/8842govc1.html
2007年モデルより新しい車についてはガソリンへのエタノール混入を現行の10%から15%に引き上げることをEPAが先週発表した。この決定は一部の再生可能エネルギー企業からは歓迎され、環境団体や石油企業、自動車企業からは車や環境に悪影響があると反対されている。
写真:これは米国のトウモロコシがより多くエタノール産生に使われることを意味する

  • 赤い汚泥の洪水後、科学者は恐怖と噂の波を止めようとする

After Red Mud Flood, Scientists Try to Halt Wave of Fear and Rumors
Science 22 October 2010:
Vol. 330. no. 6003, pp. 432 – 433
ハンガリーで10月4日に家を壊し命を奪った汚泥流出事故があって間もなく、ハンガリーの環境副大臣Zoltán Illésは声高に多くの人々が恐れていること、「誰も汚泥の中身を知らない」と主張した。しかしブダペストハンガリー科学アカデミーの一部門である材料環境化学研究所の化学者は違うことを言っている。彼らは「赤い汚泥」中の有害物質の研究を長年していて、László Kótaiは「我々は赤い汚泥について妻について知っているよりよく知っている」と言っている。Kótaiは政府の科学委員会のメンバーで汚泥だけではなく、押し寄せる噂と間違った情報の波と戦っている。例えば汚泥に放射性物質が含まれていてがんになるとか、グリーンピースが重金属が危険な量含まれていると主張しているが、これらは科学的ではない。(汚泥を飲むわけではないので飲料水基準の何倍というのは意味がない)
また9人が死亡し100人以上が怪我をした惨劇はないがしろにできないが、広く報道されているようなひどい環境影響はない。
メディアの狂騒の中で科学者は理性的発言をしようとしている。

  • インドのマラリアは恐れていたより13倍悪いかもしれない

ScienceNOW
Malaria in India May Be 13 Times Worse Than Feared
20 October 2010
http://news.sciencemag.org/sciencenow/2010/10/malaria-in-india-may-be-13-times.html?etoc
インドでのマラリアによる死亡は現在の推定値の13倍であるという研究がLancetに発表された。他の多くの推定と同様、一部の研究者から数字に疑問も提示されている。
先のWHOの報告では70才以下のインド人のマラリアによる死亡は15000であるが今回のインド政府の研究の一環である報告書によれば205000である。
Adult and child malaria mortality in India: a nationally representative mortality survey
Neeraj Dhingra et al.
The Lancet, Early Online Publication, 21 October 2010
doi:10.1016/S0140-6736(10)60831-8
http://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736%2810%2960831-8/abstract

  • Natureエディトリアル

The balance of probabilities
Nature Volume:467 , Page:883 Date published:(21 October 2010)
気候変動などの科学問題では、予測の「不確実さ」を定量的に示すことが重要であり、科学者だけでなく、メディアも表現の方法に確固たる方針をもつべきだ。
IPCCの話だけれどそれに限ることではない)