食品安全情報blog過去記事

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一部のジュースに低濃度鉛

Low Levels of Lead in Some Juice Products
November 10, 2010
http://www.fda.gov/Food/FoodSafety/Product-SpecificInformation/FruitsVegetablesJuices/ucm233520.htm
FDAは定期的サーベイランスの一環としてフルーツジュースや缶詰果物などの鉛を検査している。2010年7月に最新検査を完了した。許容できない健康へのリスクとなる量の鉛は検出されなかった。以下Q & A

Q:何故食品に鉛が入っているのか?
A:鉛は環境中に極微量存在する。植物は土壌中の鉛を吸収する。洗ったり加工したりしても完全に排除はできない。大抵の食品に鉛は極微量ppbレベルで存在し得る。

Q:FDAが検査したのは?
A:リンゴジュース、ブドウジュース、モモスライス、ナシ、ミックスフルーツ及びフルーツカクテル。

Q:なぜそれらを検査したのか?
A:カリフォルニアの環境団体Environmental Law Foundation (ELF)が最近言及したので。ELFはジュースや缶詰果物の製造業者に、鉛含量を開示していないのはカリフォルニア飲料水安全法とProp65違反であるという通知を送った。

Q:鉛は検出されたのか?
A:ほとんど全ての製品から極微量検出されたが許容できない健康リスクとはならない。

Q:食品中の鉛はどのくらいなら認められるのか?
A:FDAはボトル入り飲料や砂糖のような一部の食品については鉛の基準を定めている。またキャンディやジュースなどの一部の食品については鉛の量についてのガイドラインを提供している。ジュースについては企業向けガイドで50 ppb以上は健康ハザードとなる可能性があるとしている。規制値がない場合はケースバイケースで重要性を評価している。2010年7月の検査では許容できない健康へのリスクとなる量の鉛は検出されなかった。

Q:何故食品中の鉛が問題なのか?
A:食品由来だろうと他由来だろうと大量の鉛に暴露されると中枢神経系や腎臓、免疫系などの多様な人体機能に影響する可能性があるからである。子どもでは低濃度でも慢性暴露はIQ低下などの認知機能不全や行動上の問題に関連する。

Q:食品にはどのくらいの鉛が含まれるか?
A:FDAのトータルダイエットスタディでは1970年代から鉛暴露量は劇的に減っている。例えば2才の子どもの食事からの鉛摂取量は1979年から90%以上減った。

Q:FDAの食品中鉛対策は?
A:FDAは何十年も食品中の鉛を監視している。多すぎる鉛を含む製品がある場合には必要な対策を執る。これまでも鉛摂取量は減ったが、特に子どもがよく食べる食品についてはさらに削減対策を進める。例えば2006年には小さい子どもが食べるキャンディの鉛の最大量を100 ppbに引き下げた。

http://d.hatena.ne.jp/uneyama/20100624#p5の件)