食品安全情報blog過去記事

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その他ニュース

  • GM蚊試験系統がゲイツ財団のプロジェクトに関連

Science Insider
GM Mosquito Trial Strains Ties in Gates-Funded Project
16 November 2010
http://news.sciencemag.org/scienceinsider/2010/11/gm-mosquito-trial-strains-ties.html?etoc
約1年前、GM蚊が野外放出され先週まで電波探知スクリーンの下を飛んでいた。11月11日に英国のOxitec社が世界初のGMネッタイシマカの野外試験を、カリブ海のGrand Cayman島で、2009年の秋とこの夏に行ったことを発表した。この試験は改変された蚊が野生の蚊と対抗できるかどうかを調べるためのもので、ロンドンでのこの発表はGM蚊反対者やこの分野の研究者の多くを驚かせた。
これほど長く黙っていたことについて反対派に攻撃の種を与えたと疑問を呈する人もいる。Oxitec社の主任科学担当者Luke Alpheyはこの試験が秘密裏に行われたという主張は否定する。島の5万人の住民は知っていたし、単に国際ニュースに取り上げられなかっただけだ。
科学者はこれまで長く最初のGM蚊の試験をどうやって行うかについて議論をしていた。たくさんの論文が野外試験の前に人々との議論などを含めて検討すべきことを主張していた。しかしCayman島の試験ではそのうちわずかしか行われておらず、Alpheyは政府が必要ないとみなしたので行わなかったと言っている。
しかし公の議論がなかったことはGM蚊を作る大規模国際プロジェクトにはふさわしくない。カリフォルニア大学のAnthony Jamesらは、ゲイツ財団から1970万ドルの出資を受けメキシコチアパス州でOxitec社のGM蚊を使った研究のために何年も準備をしていた。準備の中には多くの関係者との議論も含まれ、JamesはCayman島でOxitec社がやったようなやりかたは決してしないと述べている。Oxitec社もゲイツ財団から500万ドルの資金提供を受けているが、Cayman島試験はその中には入っていない。Oxitec社は民間企業として自社の目的を進めることができるが、難しい状況になった、とJamesは述べている。
Oxitec社の蚊は不妊であるため新たに導入された遺伝子が拡散することは極めてありそうにないが、GM反対派は公開性の欠如とみなすだろう。

  • 「食物網における漁獲対象の低次化」が世界規模での試験に失格

Natureニュース
'Fishing down food chain' fails global test
17 November 2010
http://www.nature.com/news/2010/101117/full/news.2010.619.html
漁業の生物多様性指標は欠陥がある
本日Natureに発表された論文で、1998年の重大な論文で提示された「食物網における漁獲対象の低次化」という概念(食物連鎖の上位に位置する大型魚類の漁獲が進む→ 漁獲対象次々に下の中型魚類、 さらに小型魚類へと移行する→海洋生態系の破壊と海洋資源の枯渇)が否定された。一部の海域ではそのような現象がおこっているかもしれないが他の海域ではむしろ「漁獲対象の高次化」が見られる。
良くなっているのか悪くなっているのかはわからないが、指標が間違っている。
先の論文の著者らは激しく反発している

  • Jonathan Kay:なぜフッ素恐怖症がなくならないのか

ナショナルポスト
Jonathan Kay: Why fluoride-phobia refuses to go away
November 17, 2010
http://fullcomment.nationalpost.com/2010/11/17/jonathan-kay-why-fluoride-phobia-refuses-to-go-away/
オンタリオ歯科医師会の次期会長Harry Hoediono歯科医師が、オンタリオ議会が水道水へのフッ素添加を中止する議決を行ったというニュースに対して「最大の恐怖は、インターネットの出現により、間違った情報を与えられた少数の人々の声が多くの人に届いてしまうことである」と述べた。反フッ素活動家は「間違った情報を与えられている」というのは正しい。しかしこれがインターネットのせいだというのは違う。反フッ素インチキはもっとずっと前からある。主流の科学者はフッ素添加を支持しているが、反フッ素活動家対策はほとんどしていない。反フッ素活動の驚くべきところはいろいろな文化的背景の全ての人を結んでいることである。一部はホメオパスだしキリスト教特定宗派や超自由主義者までいる。
反フッ素運動は1960年代は「公民権」運動だったし1970年代は消費者保護の問題で、最近はニューエイジ代替医療の問題である。また彼らはフッ素を「社会主義医療」とみなして反オバマ活動を行ったティーパーティーのような団体にも支持者を増やしている。
反フッ素活動からは陰謀論や都市伝説は決して無くならないこと、公衆衛生や医学の専門家の常識は一般の人々に通じないことがわかる。