食品安全情報blog過去記事

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同一基準によりヨーロッパのリスク評価の調和が確保される

Uniform standards ensure harmonised risk assessment in Europe
23.02.2011
http://www.bfr.bund.de/cd/54387
BfRは消費者保護のための健康評価ガイドラインを発表した。この中には健康リスクについてコミュニケーションそするための正確な言葉の使い方なども含む。このガイドラインは食品や化学物質や消費者製品による健康リスク評価の基本となる。

Guidance Document for Health Assessments
http://www.bfr.bund.de/cm/255/guidance_document_for_health_assessments.pdf
基本原則
リスク評価は科学的根拠に基づく
考慮すべきこととしては、影響を受ける集団、その可能性、性質や重症度、可逆性、根拠の重み、データの質、リスクのコントロール可能性など。
全ての段階で透明性が必須。科学的見解が異なる場合には特に丁寧な記述が必要。
言葉の使用は受け手に応じて。明確で一貫しているべき。誤解を招かないよう同義語の使用は避けるべきである。
リスク情報はできるだけ明確に。パーセンテージなどの相対数量より1000例中10例などのような絶対値を使った説明がわかりやすい。
有害事象の頻度としては以下のような用語を使う
・Oftenしばしば
・Occasionally 時々
・Rarely 希に
・Unknown to have occurred おこった例は知られていない

有害影響の重症度については以下のような用語
・Serious 重大な
・Moderate 中程度の
・Slight わずかな
・Mild 軽い
これらに加えて慢性か急性か、可逆的か不可逆的かを考慮する

おこる可能性については
・Certain ほぼ確実に
・Probable 可能性が高い
・Possible かもしれない
・Improbable ありそうにない
・Practically impossible 現実的にはあり得ない
解釈のための参照値(例えばCertainなら100例中99以上とか、他の既知の確率と比較するとか)を提示すべき。可能であれば定量的評価を示すこと。

因果関係に関する根拠については
・ほぼ確実(因果関係は立証されており科学コミュニティに受け容れられている)
・事実に基づいて想定する根拠がある(事実から因果関係はありそうである)
・懸念(リスクについてのあまりはっきりしない徴候がある)
・リスクがあるという徴候はない
統計学的有意差と生物学的意味を同等に扱わないよう注意する必要がある。統計学的に「有意」なリスク要因が生物学的に意味のないものであることはある。

データの由来を明確にする。データの質や妥当性、不確実性などを明確にする。
他意見書の構成、適用範囲、用語(略語)など