食品安全情報blog過去記事

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EFSAは人工甘味料の安全性に関する2つの論文をレビュー

EFSA reviews two publications on the safety of artificial sweeteners
28 February 2011
http://www.efsa.europa.eu/en/press/news/ans110228.htm
2月28日に発表された声明において、EFSAは人工甘味料の安全性に関する最近の2つの論文は先の安全性評価を再考する理由にはならないと結論した。
2011年3月1-2日の総会でANSパネルはEFSAの声明とこれらの研究についてのさらなる検討の必要性を議論する。

  • 人工甘味料の安全性に関する2つの研究の科学的評価についてのEFSA声明

Statement of EFSA on the scientific evaluation of two studies related to the safety of artificial sweeteners
EFSA Journal 2011;9(2):2089 [16 pp.].
28 February 2011
http://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/2089.htm
EFSAは2つの研究、つまりマウスの発がん性試験(Soffritti et al., 2010)と人工甘味料を使ったソフトドリンクの摂取と早産の関連についての前向きコホート研究(Halldorsson et al., 2010)についての科学的助言を求められ、アスパルテームやその他の甘味料のこれまでの評価を改訂する必要性について意見を求められた。
Soffrittiらの研究はアスパルテームを経胎盤暴露されたマウスにおける長期がん原性試験で、著者らはアスパルテームが雄のスイスマウスの肝臓と肺にがんを誘発すると結論している。EFSAはこの研究を評価し、出版された情報から、この研究の妥当性と統計学的手法からはこの結果は導き出せないと結論した。さらに、スイスマウスで観察される非遺伝毒性化合物により誘発される腫瘍はヒトリスク評価への妥当性を欠くと一般的に認識されていることから、この結果はEFSAのアスパルテームについての先の評価を再検討する根拠にはならない。
Halldorssonらは59334人の妊娠女性コホートでの出産パターンを調査し、人工甘味料入りソフトドリンクの摂取と早産に関連があると結論している。EFSAはこの研究を評価し人工甘味料入りソフトドリンクの摂取と早産の因果関係を支持する根拠はなく、相関があるかどうかについて追加の研究が必要であると結論した。
全体として、EFSAはこの2つの論文はEUで認可されている人工甘味料アスパルテームの先の評価を再検討する理由にはならない。